『坂井宏行シェフによる美食の夕べ』、または、またまた『ゆたか農園』の野菜を食べに行く その1


さる7月末の「ワインと美食の晩餐会」に引き続き、再び鹿児島の地を、そしてマナーハウス島津重富荘を訪れました。『マナーハウス島津重富荘』のことは過去の2007年07月28日のエントリーhttp://d.hatena.ne.jp/tangkai-hati/20070728)をご覧ください。



今回のディナーは島津重富荘の開業1周年を記念したスペシャルな、
坂井宏行シェフによる美食の夕べ』というものでした。
前回のディナー同行の鹿屋のHさん、そしてK料さん、さらに今回は謎の目的を2つもったI上さんも加わり、美食のテーブルにつくことができました。



早めに到着したので、島津重富荘が初めてのI上さんのために『レストラン・オトヌ』や羨望の眼差しでみてしまう充実したワインセラー、そして神前結婚式場など、室内をみてあるいていると、ディナー前のサプライズが突然始まりました。
ロビーの中に和太鼓が轟いたのです。
あとで聞いたところによれば、本来は桜島をバックにあのお庭でこの太鼓が鳴り響くはずが、周辺環境への配慮でロビーでの演打となってしまったとか。ただでさえ迫力満点の和太鼓、低いロビーの天井に反響して音が重なりとても残念でした。



さて、いよいよディナー開始の時間。
案内されたテーブルは演壇の正面すぐ右手。


まずはシャンペンのサーブから始まりました。


『モエ エ シャンドン ネクター アンペリアル
 Moet et Chamdon Nectar Imperial(フランス・シャンパーニュ)』

とても濃い果実味、それもブドウではなくどこか南国の果物を思わせるような香りで、やや甘口のシャンパンでした。




シャンパンをのみながらムッシュ坂井手描き文字のメニューに目を通し、ワクワクとしていると、いよいよ開宴。


まずはムッシュの挨拶から、そしてシャンパンでの乾杯。
今回のメニューについて、1つ1つすべてが自分ならではのスペシャルであり歴史だという話を聞き、ますます一皿目が待ち遠しくなります。




さて、待望の1皿目。

『フォアグラのプディング はちみつ風味 サラダと共に!』


まったりとしたほの甘いフォアグラのプディング、そしてその周囲にはキリっとした新鮮な野菜がサラダとして添えられています。
右手のエンダイブ、そしてカブ、マッシュルーム、等々。
いきなりこんな贅沢なお料理でスタートしていいのだろうか?という嬉しい不安さえ感じてしまった1皿目でした。
このサラダの中の見覚えのある野菜達*1、そうです「鹿屋 ゆたか農園」のものです。今回の目的の1つ、「ゆたか農園」のお野菜が1皿目からやってきました。



2皿目。

『生うにのクレープ包み オマールの香りを添えて』


先のフォアグラのプディングで、早くも恍惚としているところへ、可愛いクレープ包みの皿がやってきました。
ナイフをいれると、中には生うにのしっとりした姿が見え、一口目はあっさりとそのまま、そして二口目はオマールの香りの効いたソースを絡めて口にいれました。
それぞれ素材の香りは決して喧嘩せず、まるで「たがいに海の仲間じゃないか」と相談でもしてメニューに載ったようです。



『モエ エ シャンドン』が果たしてウニとオマールに合うかどうか、「おそらくあまり良くないでは?」という思いがありましたが、今回のような濃厚な果実風味のあるものは、意外にもうまく合っていました。



そして3皿目。


『美味なる秋のきの子とエゾ鮑 トリュフ風味のソースを...』



この一皿だけでも、ここへ来て良かった思う、そんな秋の一品。
きの子類の他に添えられている野菜を良くみてください。
なんと、里芋、そして蓮根。
本来のフレンチにこの食材の驚き。
ところが里芋はエゾ鮑とトリュフ風味のソースがしっかりとしみこみ、
(私たちが普段作る「里芋とイカの煮物」の煮汁をしっかり含んだ里芋を思いだしてしまいます)
そして蓮根はあの歯ごたえがムチムチとした鮑の食感と対比してとても気持ち良いのです。
この里芋も「鹿屋 ゆたか農園」からのお野菜です。



まだまだお料理は中盤もすぎていません。
このあと、さらに素敵なお料理がデザートもいれて5皿も出てきます。


一気にはとても無理なので、また(その2)に続けましょう。