新潟・佐渡に落ちる夕陽を望む
先週、7月29日にも、日本海に落ちる夕陽を見にでかけていたが、あいにく水平線ギリギリのところの雲の帯で、日本海そのものに沈むところは見ることができなかった。
そのリベンジという訳ではないが、出雲崎からははるかに北東、新潟市内の『マリンピア日本海』前の浜から、ちょうど沈みゆく太陽を見ることができた。
ただし、今回は地形的に太陽は佐渡島に沈む。
海に沈む太陽ではないが、佐渡島自体も今まで何度か出雲崎付近を訪れていても、雲やもやに霞んで、うっすらとしか見ていなかったので、日没後に映える佐渡島のシルエットに大いに期待した。
偶然、新潟の新発田の仕事があり、今週も新潟に滞在していた。
新潟市内から、また日没ギリギリか?と思うタイミングで浜をめざす。
海が近くなった時点で、すでに太陽はかなり傾き、あわてて三叉路で信号待ちをした際に1枚、シャッターを押してみた。
燃える日の玉のような太陽が、すっかり夕陽となってきている。
駐車場まで着くとそこには沢山の車。
みな夕陽を見にやってきているらしい。
急いで浜近くの堤防に出る。
よくみれば、太陽近くに工事車両のシルエット。
うーん、どんなものか...と、立ち位置をすこし変えてみた。
線香花火の最後の真っ赤な玉のように、じゅくじゅくした火の固まりが佐渡の山を焦がすように落ちてくる。
まさに沈もうとする瞬間、周囲は燃える赤から、まるで熟し切った柿のような鈍い朱色に染まった。
すっかり沈みきってしまった太陽。
どんどん鈍い色へと変わっていく。
西には三日月が明るく輝きだす。
シルエットに浮かぶ佐渡島は、ちょうど島の南側と北側の部分が重なってみえている。
写真の中央部分で一番高いのは北側にある1042mの妙見山らしい。
ほんの10分あるかないかのこの時間、それまでどんな事を考えていたとしても、落ちる夕陽を眺めている間は自然と粛正な気持ちになってしまう。
これでしばらく日本海と日本海へ落ちる夕陽は見ることがないかもしれないと思うと、余計に太陽の朱さが身に沁みた。