花散街


春のもやで視界の悪い朝。
このもやが春独特の淡い色のトーンをだしているのでしょうか。




源氏物語にでてくる女性の名は「花散里」。
源氏が詠んだ「橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ」
という歌が由縁の名前ですが、さらにこの歌がふまえた元歌は古今集(夏)の中の、
「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」。


花は「橘」で「桜」ではないのです。


それでも「花」「散」とくれば、どうしても今のこの時期の桜を思ってしまいます。



桜はもう風にただただ散るばかり。
花吹雪とはよくいったものです。
道をゆく女子校生の制服の上着にも、花の紋。