『ミツバチのささやき』(ビクトル・エリセ監督)
内戦終結翌年のスペインのとある小さな町が舞台。
会話(言葉)がほとんどなく、当然字幕を追うような見方もせず、情景に没入してしまう。
しかしその分、風景と情景でストーリーを追わないとならず、大きな流れは分かっても、各所での出来事は難解といえば難解だ。
これはオカルト映画でも、サスペンス映画でもないはずなのに、独りでみるには、なぜか怖ろしい気がする。
目に見えない精霊の世界、子供の心、大人の事情、内戦・・・
計り知れない様々なものが、実は映画の中にちりばめられている。
それを敏感に感じ取ってみようとすると、外で風がベランダの何かをカタカタと振るわせている音ですら、そら怖ろしく感じてしまう。
それでいて、登場する子供アナの純粋以上の何ものでもない目、あどけない顔、幼さ故の残虐さ、
一つ一つのシーンでの表情と仕草に、これまた見入ってしまう。
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これはビクトル・エリセ監督の長編映画の第一作目だった。
同じく監督の作品、『エル・スール』は近くのレンタルショップにはもう在庫として見つからなかった。
もう絶版なのかと思っていたら、こんなパッケージが出ていた。
ビクトル・エリセ DVD-BOX - 挑戦/ミツバチのささやき/エル・スール
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もともと10年に1本程度しか長編を監督していないので、作品数も少ない。
調べてみると、
主な監督作品 [編集]
挑戦 Los Desafios (1968) ※第3章を担当
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ビクトル・エリセ&oldid=33924078
ミツバチのささやき El Espiritu de la colmena (1973)
エル・スール El Sur (1982)
マルメロの陽光 El Sol del membrillo (1992)
10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス/ライフライン Ten Minutes Older: The Trumpet / Lifeline (2002)
一連の作品もみてみたいものだ。
ビクトル・エリセは『山椒大夫』(溝口健二)に影響を受けたという。
そういえばジャン=リュック・ゴダールも溝口健二に深い影響をうけていたはず。