『ノルウェイの森(上)』 読了

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)



今年の春になってから、
海辺のカフカ(上)』『海辺のカフカ(下)
風の歌を聴け
1973年のピンボール
羊をめぐる冒険(上)』『羊をめぐる冒険(下)
カンガルー日和
回転木馬のデッド・ヒート
羊男のクリスマス

と、村上春樹の作品をずっと読んできた。
最新の『海辺のカフカ』をのぞけば、ほぼ発表された順に読んだことになる。
その最初のうちの作品は、まるで初対面の人どうしが相手を見極めるのに時間を割くように、一挙一動、一句一文にセンサーをめぐらして読んでいた。それだけ村上春樹の文章も突っ張った文章であったかもしれないし、私の村上春樹を読むための力の加減ができていなかったのかもしれない。
断片的な中にも、後の長編小説へとつながる糸口が沢山見えていたし、読みながら頭の中で著者「村上春樹」を一生懸命分析しようとしていたかもしれない。


しかし、『回転木馬のデッド・ヒート』あたりからそれが無くなった。
なぜか言葉がすんなりと入ってくるようになった。
たたみかけるような情景描写に最初は軽い嫌悪さえ持っていたのが、逆に快さまで感じる。


そして今、読んでいる『ノルウェイの森』にあっては、もう、ただただ、やたら切ない。
上巻を読み終わって、下巻に手をだしたその晩、突然、夜中に言いしれぬ不安感を覚え、「泣く」とう感情の意識がないのに、泪がぽつぽつと落ちた。


海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

羊男のクリスマス (講談社文庫)

羊男のクリスマス (講談社文庫)