花の効用


部屋のドアをあけると、日中の陽射しで暖まった部屋の中から、咲きこぼれた花の香りがあふれてきます。
それは身を飾るための香水でもなく、なのに、香しく部屋に入った私にまとわりつき、恍惚とした気分にさえさせます。



この一瞬、私は「香りをかぎ、まとっている」のではなくて、「香りをかがされ、まとわされている」のでしょうね。
身の回りのデザインにみるアフォーダンス(affordance)よりも、こうした生物的なアフォーダンスは、想像さえかきたて、さらに深く知覚を研ぎ澄ますような気がします。