『マンガ災害事例』 社会保険労務士・行政書士 横山事務所のblogから

ふとしたことから目についたblogのご紹介。


まずは見ていただきたい。
マンガ災害事例


記事掲載の趣旨
安全管理や労働災害防止は、難しくはありません。 過去の実例や経験を上手に活用すれば、かなりの程度、達成できます。 先人の犠牲は貴重な教訓です。 その一端を、順次ご紹介して参ります。

http://makoto-y.cocolog-nifty.com/blog/

私のblogを見に来てくださる方々の半数くらいはおそらく日々、現場での「安全」に心を砕いている方々が多いだろう。
なぜこのblogの4コマ漫画が目にとまったかというと、それは私には妙な懐かしさと親しみがあったからだ。学校をでて最初に入った会社では、製造系ではなく技術系の仕事ではあったが、事務所がたまたまJR南部線沿線の武蔵中原にある大きな工場内にあった。一口に工場といってもさまざまだが、そこでは複数の棟に別れ様々なコンピュータ機器や電子交換機、半導体パーツを製造・検査していた。「工場」の存在は会社の中では相当のウエイトを占め、工場長ともなれば会社の役員に匹敵する役職でもあった。その工場内で作業中に「事故」を起こす事は社内外ともに大変な問題となる。そこで工場内の関連会社までふくめたすべての企業内に「安全衛生委員」の配置が決められていて、徹底した安全教育がされていた。私はその会社を離職する少し前まで「安全衛生委員」を担当した。


工場内では毎月一回、「安全衛生委員会」なるものが開催されていた。そこでは各部署へ持ち帰って報告すべき安全衛生に関する告知や教育、そして1ヶ月内に発生した(大小含めた)事故・災害の状況報告があった。報告書には日時、現場場所、発生状況、原因などが文章で記されていたが、かならず1枚の手描きのスケッチ絵(漫画)が描かれていて、その絵はお世辞にも上手くはなかったがとても印象的で親しみやすかった。不注意から機械にうっかり手足を挟まれた絵など、みただけでこちらまで思わず「痛っ!!!」と顔をしかめてしまいそうになった。あの絵が実際の製造ライン部署にもたらした教育的な効果は大きいと思う。


所属していた技術系部門では機械は扱わないデスクワークであったものの、例えば「踵(かかと)のないサンダルを履き工場内を歩いていて、怪我をした。」など、全く無関係ではなかったし、起きてしまった事故から、次に事故を招かないような「危険予知」の目を持つことを徹底的に教え込まれた。
これらは全く違う職種となった今でも、時折役だっている。


最近の大手ゼネコンなどでは、それこそかなりの予算を使い、ビデオやDVD、パソコン上のコンテンツなどを駆使して徹底的に安全衛生教育を行っていると思う。しかし次々と流れていく映像とはまたちがって、私が見てきた当時の災害発生状況漫画やこのblogの4コマ漫画は、頭の中に印象深く残るということを、なぜかデジタル時代のこの今にあらためて思ってしまうのだ。
するすると(表現が汚いが)垂れ流しのように流れていく映像情報を見るとう視覚行動より、例えば絵を見て考えるという視覚的行動のほうが人間の脳の中にしっかり刻み込まれるのだろう。