『中秋の名月』を観る(三溪園・観月の会)
25日は『中秋の名月』。
そういえば最近「季節の行事を身近に感じることもなく過ぎていく日々だったなぁ。」と急に思い立ち、せっかくの名月を愛でるのに良い場所へ出かけてきました。
行き先は横浜・本牧の『三溪園』。
数日前にこちらをみていて頭の中に三溪園があったこともあります。
ここには原三溪が各地から集めた歴史的価値の高い建造物が移築されています。多くの茶室もあり、以前茶室を伴った住宅に関わっていた頃は一生懸命勉強に通った思い出があります。
『三溪園』では、桜、蛍、そして中秋の名月前後のみ夜間公開*1されます。
普段なら閉園となる時間に園内に入り、月が山の端から出るのを待つのは、普段と同じ月なのになぜこんなに待ち遠しいのだろう?と思います。
内苑の『臨春閣』の池を前に、そこから臨む小高い丘の上の『旧燈明寺三重塔』の傍らに現れた月は、もう何百年も前からそこにあったような錯覚を感じます。
旧暦で8月15日の『中秋の名月』、この日は今の歴におきかえると毎年変わるし、かならずしも満月ではない事が多くて、
今年の『中秋の名月』の日の月齢は13.6。
不思議な事ですが、完全な十五夜の満月より、やや欠けている十三夜の月ほうが美しくみえます。
そして雲一つない快晴より、適当に雲があり、その雲に隠れたり、出たり...そんな有様が風情を感じます。
日本人の美意識は完璧無欠でない、ほんのわずかその手前を望むものなのかもしれません。
『臨春閣』の中では箏曲の演奏が。
一方外苑の大池のたもとからは、池に映る『観心橋』や『涵花亭』とともに、また違った月を楽しむこともできました。
そしてさらにライトアップされた『三重塔』と池のとりあいも美しいものです。
再び内苑の『臨春閣』に戻れば、月は最初の場所より遙かに高く上がり、『三重塔』とのバランスもかわり面白みを増していました。