火山湖『大浪池(おおなみいけ)』をのぞきにいく


ディナーのあった翌日5日、霧島の『大浪池』(標高1411.4m)へ登りました。
『大浪池』は火山の噴火でできた河口に水がたまった火山湖で、山に登り切りまではその姿を見ることができません。


まずは鹿児島市内から車で霧島へ向かい、途中で昼ご飯を購入。なんでも湖を眺めながらのお弁当が最高なのだそうです。そして霧島からさらにえびの高原へ向かう霧島スカイラインの途中、「大浪池登山口」バスの前に「大浪池登山口」があります。
(写真にもありますが、この先トイレはないので、まずはここですませて....)



最初は登山口の写真にも見えるような、登りやすい石畳があります。ひたすら登りの道と階段が続きますが、中盤をすぎた頃からは普通の石を積んだ階段状の道となり、あまり足下がよくありません。ちょうどその頃から周辺の植生も徐々に変わり、それまでは下草も少なく、背のあまり高くない赤松や灌木類だったのが、背の高い笹と低木へと変わり、頂上付近では大きな岩が散在する場所にでます。
山のてっぺんに湖がある訳で、正確には山の頂上はないのでしょうが、そこがこの山を登りおえたところで、登山口から普通は50分ほどと旅の本などには書かれていましたが、今回は30分ほどで登り切りました。



すると目の前には、突然こんな景色が開けます。
湖の背後に見えるのが、霧島連峰最高峰の標高1,700m、「韓国岳(からくにだけ)」。
このアングルでは穏やかな山にみえますが、さらに霧島スカイラインを進み、えびの高原側からみると、爆裂した山のすさまじい形状をみることができます。


鹿児島市内は快晴にもかかわらず山の天候のこと、雨ではないものの、あいにく雲がかかり陽射しがありません。下界の暑さからすれば陽射しのないのは登山には有り難いのですが、景色を楽しむにはちょっと残念でした。


時折、雲の切れ間から差し込む陽射しのチャンスを待ち、撮れた数少ない写真です。
この湖には古く龍の化身の物語があります。
この状態でさえ神秘的な色あいは、もっと陽射しが差し込んでいたら、どんなに綺麗だったことでしょう。


この大浪池の周囲は約4km、そしてそこを尾根状にとりかこむ高い部分を歩いて一周することができます。
一回りで約1時間ちょっとだそうですが、周回する道の途中から、「韓国岳(からくにだけ)」に登る登山道にもなります。今回は時間の都合で、この周回する道を15分、ちょうど1/5ほど進んでみました。


周辺は初夏になるとキリシマコメツツジの群生のピンク色の花が咲きそろい、とても綺麗だそうです。この時期はあまり目立った花はありませんが、それでも高原植生のいくつかの花を見つけることができました。


葉が太いので、ホソバリンドウ(霧島リンドウ)ではなく、ごく普通のリンドウのようです。


アキノキリンソウ


リンドウの仲間のセンブリに似ているけど、花弁が4枚....



周回する道からも湖が見える箇所がいくつかありますが、いずれも切り立った断崖から覗くようで、眼下には手つかずの原生林が臨めます。


そして湖とは反対側、つまり火口から外側をみると、そこには晴天であれば「高千穂峰」を臨む事ができたのですが....
残念でした、山頂は雲の中でした。


ここで再び折り返し、元の岩場に戻って湖をながめながらの昼食をとりました。
こんな風な山の空気の中でおにぎりを食べたのは、いつが最後だったでしょう、もしかしたら小学校以来のことかもしれません。妙に懐かしい気持ちに浸りながら食事をしていると、また一瞬、太陽がのぞき、湖の付近の原生林を明るく照らしていきました。


丁度食事がすんだころ、ポツポツと雨が降り出し、景色が名残惜しく感じながら、もときた登山道を下りました。あまり高くない林の中でも、さすがに雨に濡れることなく無事登山口まで下山。
途中、サンダル履きで石畳を上ってくる人に何人か出会いましたが、登山口入り口の様子をみる限りでは「サンダルでもいける」と思うのでしょう。途中で石畳はなくなり、ごつごつした石を組んだだけの階段状の道になるので、サンダルでは危険ですね。



『大浪池』

林田バス「大浪池登山口」バス停より、徒歩50分。



マップを「SATELLITE(航空写真)」モードにして、縮小(「-」を押す)していくと、大浪池の周辺には他にも沢山の湖があるのが判ります。
いずれも火山活動でできた湖で、美しいものばかりだそうです。
また激しい火山活動で崩れた山や流れた溶岩の痕跡をみることもできます。


次回、機会があれば時間をかけて高千穂河原から中岳、そして新燃岳と歩いてみたいものです。
実は新燃岳の麓には、お楽しみがあります。
それはまた後のエントリーで。


(追記)
写真の白い花、やはりセンブリのようです。生育環境のよっては花弁が4枚になることがあるそうで。


(追記2)
そうそう、丹波哲郎若林映子浜美枝が登場する「007は二度死ぬ」(1967年公開の007シリーズ映画第5作)のロケはこの周辺新燃岳で行われたそうで、これはDVDを借りてきてみなくては!