浅草四丁目『喜美松』で豚生モツを食べる


観音裏というよりは、浅草四丁目といったほうがしっくりくる、言問通りから千束通り商店街に少し入ったあたり。
お酉様の大酉神社もほど近く、千束(かの吉原)の界隈も近いこの辺りは、浅草でも観光地としての浅草のイメージを持つ人には異質の場所に思えるかもしれません。



『喜美松』(本来「喜」の文字は下の写真の暖簾のように「七」が3つ)。
ここに来るのはもう既に数度目ですが、初めて来たのが2年前の酉の日、つまり2005年の11月21日でした。
その時は熊手の市の喧噪の大酉神社から、途中でヤツメウナギの串焼きに剣菱の紙コップ酒をあおりつつ、ベビーカステラをかじりつつ辿りついたわけなので、逆に店内の(モツ、やきとり屋にありがちな雑然さとは裏腹の)小ぎれいさを感じた程でしたが、浅草駅方面からくれば、やはりここはただならぬモノが漂う場所でしかないのです。
(ここはM知さんのお住まいの大家さんでもあります(笑))



店の入り口の樽の輪をくぐる時、それは一瞬、まるで神社の鳥居をくぐるのと同じく、結界の張られた向こう側へお邪魔する、そんな気持ちになります。


店内は月曜日の7時というのに、すでに満員近い状態。小上がりの予約をしていただいていたので、無事に座ることができました。
飲み物はビールを始め、いろいろあるが、ここはやはり『スッパ酎』でしょう。焼酎にクエン酸が入ったものを、ソーダで割って呑む、ただただ文字通り、酸っぱい。
出てきたグラスにはまだソーダが入っておらず、別に瓶で出てきますが、そのグラスは最初から氷と焼酎で一杯。
まずはロックのような状態で呑まない事には、ソーダを入れる余裕がありません。この最初の一杯がなかなか強烈で、酸っぱさと濃い焼酎の洗礼のようなものです。
つきだしはいつも、千切りキャベツ。でも、これ以上の物を欲しいと思った事はありません。




『ガツポン酢』

コリコリした、ミミガーのような食感がサッパリとしたポン酢と良くあいます。
これを食べながら、焼き物やモツ刺を待ちます。




『ポテトサラダ』

勿論定番ですね。




『レバー串焼き』

何も言えない.......本当に何もいえない絶妙な焼き加減。
外側はパリっと焦げた状態で、中はレア。そして生臭さもないしっとりとした肉質。どんなに美味しく調理されたものでも、やはりレアや半生のレバーに敵うものはないでしょう。




いよいよ豚モツ刺身の盛り合わせです。まずは盛り合わせのなかの半分。
右下から時計回りに『レバー、きゃんたま、タン、そしてコブクロ
モツ刺しといっても、これは「豚」のモツ。豚の生肉はおろか、モツを生で食べるなんて!と思うのが普通なのでしょうが、ここの肉は輝くほどに綺麗で美しいのです。それはそれぞれの臓器がまだ生きているのではないかと思う程なのです。




『生きゃんたま刺し』
まったりとした舌触り、クセのない甘い肉、実はこれが一番好きだったりします。



辛子醤油をつけていただきます。





『生レバー刺し』
まるでまだ肝臓の細胞が増殖しているのでは?と思ってしまうほど活き活きとしています。




コブクロとタン』
弾力のあるコブクロも美味しい。




『レバータタキ』
これもレアで、いろいろな薬味類とともに、ポン酢であっさりといただきます。




『ナンコツ焼き』
ここのナンコツは鶏と違って、どうも血管(動脈)付近のようです。




『カシラ味噌焼き』
味噌の辛み、甘みが肉にピッタリあっています。




モツ刺身の盛り合わせの後半。
右下から時計回りに『ハツ、生ガツ、しろ』
こちらはピリ辛の味噌たれでいただきます。




あ........なにか忘れたような...と思ったら、『おやじだんご』(つくね焼き)頼むの忘れました。




『喜美松』


東京都台東区浅草4-38-2
電話:  03-3874-5471
営業時間:17:30?23:00
定休日: 土曜・日曜・祝日




☆検索で、「こぶちさん」と「くろださん」のことだと思ってやってきた方、ごめんなさい。(笑)