飛騨古川の和蝋燭(わろうそく)

先日、飛騨・古川の取材から帰ったK島さんから、和蝋燭(わろうそく)をお土産にいただきました。
ロウソクというと、今は家庭から神棚・仏壇で使うものまで、動物性油等をつかった洋ロウソクが一般になってしまいましたが、神仏に使用するのに本来はなまぐさモノはいけないのだそうです。そのために正式には植物からの油をつかった「和蝋燭」をつかうようです。


さてその「和蝋燭」ですが、実際にともしてみると洋ロウソクとは随分と違います。
外見は上にいくにつれ太くなり、しかも中心部分は空洞となっています。
芯は太く、火をつけるにはまず、蝋燭を横にねかせて着火しないとなりません。


そして一番大きな相違は、炎の様子でしょう。



芯の形状からも影響されるのでしょうが、とても長い炎になります。
よく見ていると、炎が一旦とぎれ、さらにその上にもう一つ、小さい炎ができているようにみえます。
そして、特に息を吹きかけたでもなく、動いて気流をつくったわけでもないのに、時折炎が震えます。震えるというより脈打つような動きといったほうが良いかもしれません。



ただでさえ、見つめてしまうロウソクの炎、和蝋燭はさらに時間を忘れ、じっと見入ってしまいます。





ところで、このK島さんがディレクターをした飛騨・古川の番組が2月9日(土)の午前11:00〜11:34、NHK総合TVで放送されるそうです。(再放送 2月17日(日)午前4:20〜4:54)


 新日本紀行ふたたび
「大ろうそくの灯る日 〜岐阜県飛騨市 古川町〜」
http://www.nhk.or.jp/archives/kikou/past/2007/h0802.html#0209

飛騨市古川町。昔ながらの美しい家並みが残された町だ。1月15日古川町では、「三寺まいり」という行事が行われる。そこでは15キロもある巨大な和ろうそくが灯される。昭和54年放送の新日本紀行では、和ろうそく職人の三嶋武雄さんが紹介された。息子の順二さんはその後を継いで今も和ろうそくを作り続けている。伝統行事「三寺まいり」に、特別の思いを寄せる三嶋さん、女性絵馬師の山口さん、左官職人の鮎飛さん、「三寺まいり」を軸に、飛騨古川町で生きる職人をその風土とともに描く。