宇部の宝石、パティスリーKENJI(ケンジ)の『黒ダイヤ』



浅草で開かれた某イベントのために来京した宇部のHさんから、お土産にいただきました。
正式な名前は『宇部レトロ 黒ダイヤ 生チョコレート焼』


包装を解くと、中はシックなまるで皮シボのような表面をもつ真黒い箱です。



透明度が重要なダイヤモンドの印象から「黒ダイヤ」というと何となく不思議な響きですが、その理由は箱の帯に書かれていました。


炭 都 宇 部


宇部市近代化の原動力「石炭」。
掘るほどに好景気をもたらすことから、
石炭は黒ダイヤと呼ばれました。

同じような理由で、マグロやオオクワガタ、ナマコも「黒ダイヤ」と呼ばれていることを思い出しました。
そこでちょっと調べてみたところ、同じ石炭算出の地、筑豊にも「黒ダイヤ」というお菓子があることが判りました。
しかもその「黒ダイヤ」は配給で余った黒砂糖を利用した羊羹なのだそうです。

・石炭が国のエネルギー政策の骨幹であったことから、 昭和21〜27年ごろまで筑豊地域には食料特別配給が 行われており、この時期に砂糖(黒糖)も多く配給 されていた。
・炭鉱で働く従業員は、多くの砂糖を配給されても全 部使いきれなかったらしく、三井鉱山の役員さんが、 市内にあったお菓子屋「大月堂」に相談したのが、 この銘菓を生むきっかけとなった。

http://www.yokanet.com/pdf/backnumber/no54/07.htm


石炭採掘のあった当時からあるお菓子でも、最近になって因んで名付けたお菓子でも、その地の歴史や特有さを示すものには違い有りません。
以前に倶知安の『豪雪うどん』のことを書きましたが、まさに今はこういったネーミングで印象づけられる地域も多いことを実感します。



さて、話題が逸れてしまいましたが、箱の中にはガトーショコラのような丸い濃いチョコレート色のお菓子が並んでいます。



手にとると、見た目よりずっしりと重たく、一口含むと生チョコレートとバター、洋酒の風味。
しっとりとした食感は、石炭を模したものとはいえ、本当にダイヤのような高級感さえします。
よくみると生チョコレートの濃い部分とスポンジ状の軽い部分と層ができています。
ちょっと渋みのある赤ワインと合わせていただくのも良さそうです。



お店のHomepageをみていたら、フレークとナッツを使った『炭都ロッシェ』という商品もあるようです。
濃厚でしっとりの『黒ダイヤ』に対して、香ばしい『炭都ロッシェ』。
小声で「今度は『炭都ロッシェ』ね」と、おねだりをしてみたい気が.......




(2008.3.16 追記
おねだりの効果がありました!
なんと『炭都ロッシェ』をいただきました。



パティスリーケンジ


山口県宇部市大小路3-9-23
tel:0836-21-9827
営業時間 10:00~20:00 水曜定休