『CHANEL MOBILE ART』を見に行く



代々木の国立競技場オリンピックプラザに設置された仮設の移動展示会場。
競技場の建物を「44年そこに存在し続けた突出」とすれば、『CHANEL MOBILE ART』のZAHA HADID(ザッハ・ハディッド)デザインのパビリオンは「ほんの数ヶ月の収束」の場といった対照的なものといえるかもしれない。



展示の内容を言葉で伝えることは、なかなか難しい。
それは私の語彙力不足ももちろんのこと、単なる視覚的なアートでないからだ。
CHANELの象徴的なバッグ、あのキルティングのイメージ、そしてバッグ(袋)そのものの解釈。
それを各国のコンテンポラリーアート作家が独自に行い、そしてそれをパビリオンの中に表現している。



パビリオンの入り口はまるで吸い込まれる螺旋の軌跡のようだ。
来場者は20分ごとに区切られた待合い場所で、自分のチケットに記された時間が来るのを待つ。
やがておよそ10数名ずつのブロックが、入り口へとすすみ、そして順番に渡されたMPプレイヤーとヘッドフォンをセットされる。


ヘッドフォンからは、テストを兼ねた鐘の音が聞こえ、やがて
「さあ立ち上がってください」という声。
その声とともに、このパビリオン内での行動が始まる。
あくまでもこのパビリオン内では勝手気ままな行動はとってはいけない。
人々は耳から聞こえるさまざまな指示、そして語りを覚知して、アートを感じていく。


新しい展示形態としての楽しみ方もまたある。




CHANEL MOBILE ART
http://www.chanel-mobileart.com/


2008年7月4日まで(現時点では東京展は終了。)



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