あさきゆめみし2


先日の「あさきゆめみし 星の章」に続いて、「あさきゆめみし 花の章」を読んだ。


決して他に読む本がなくて、これを読んでいる訳ではないのだが......
どうもこの類は途中で中断すると、それまでの登場人物を忘れてしまうので、読み出したら一気に読むしかない。
あらすじはもう、何度もいろいろな種類の「源氏物語」を読んで、だいたい判っている。
それでもやはり、出てくる人物の1/3は忘れている。


あさきゆめみし 花の章」を読んだということで、実は頭の中にはいろいろな過去の源氏物語の記憶の残片が、再び集積して、
自分の頭の中に1つの「源氏物語」ができてきてしまう。
そして、この本にではなく、この頭の中の「源氏物語」に陶酔し、あるいは胸を痛めてしまう。
これは(この本の)作者に、ひどく失礼なことかもしれないが、今となってはどうにもならないのだ。


読み終わって、眠りにつこうとした時、まだ頭の中の「源氏物語」では、いくつかのシーンを繰り返していた。
そして、本を読むという動作が不要になった分だけ、今度はそこへ自分の思いを寄せたり、自分のありようを重ねてしまうことになる。
判ってはいることだが、それは切なくもあり、やるせなくもあり、もどかしくもあり・・・・・
不覚にも泪がでてしまった。
泣いたという意識はないのに、勝手に泪がおちて枕を濡らしてしまった。