『村野藤吾 ・建築とインテリア ひとをつくる空間の美学』を見に行く


汐留の松下電工ビルの「松下電工 汐留ミュージアム」で開催されている、
「村野藤吾 ・建築とインテリア ひとをつくる空間の美学」という展覧会をみてきました。




建築だけではなく、内装全般、家具、階段の手すりに至るまで、すべてがデザインの対象。
でもこれがバウハウスからの本来の建築家のあり方ですね。


バウハウスの最終目標は建築、絵画やデザインなどすべての造形は建築のためにある」
というような説明があり印象的だった。
最近はどうも「建築」のイメージが薄い。そして建築に携わることのプライドを持てなくなってしまような世相やできごとも多い。
そんな中、この言葉は何よりも一番、心にしみ入った。

『バウハウス・デッサウ展』をみにいく

最近私の仕事で関わりのあるマンション建設では、建設、建築、そしてロビーや室内のインテリアをすべて別の会社が行っているパターンが多いのです。
建設と建築はともかく、インテリアは全く別の専門のデザイナー事務所がかかわって、コーディネートしているというパターンです。
当然、これらの全てに関わりのある資料が必要なので、こちらでは様々な食い違いや不明点をみつけることになります。
「餅は餅屋」という考えでしょうか。
しかし、「建築家」としての仕事を任された場合、建築物にかかわる全てを自分の手で完結させる、それが「建築家」の使命であり、プライドであったのではないかと思います。


一枚のトレーシングペーパーの中にぎっしり書き込まれた設計図面や、都ホテルのメモ用紙に描いたスケッチ、とくに原寸のデザインディティール図面など....
手書きの図面が沢山展示されていたのがとても印象的でした。
80歳の高齢をすぎてからも、現場へおもむき、粘土模型でスタディを重ねる...そんな姿。
そしてまた、愛用した茶道の道具や茶道の書などをみるにつけ、「建築家」はすべての事柄に精通していなければなり得ないということを再認識させられます。


沢山の図面をみていると、手書き図面を書いていた頃がとてもなつかしくなりました。
今はみなCADで誰でも同じ図面ができあがってしまいますが、手書き図面には「設計者の思い」がこもっていますね。
私の学生の頃は手書き図面を徹底的に仕込まれた時代でしたしね。
CADで図面がかけなくても、「手書きで図面をかけ」といわれえば、そこそこ矩計図くらいまではなんとかなるのではないかと思います。




松下電工 汐留ミュージアム


開館時間:午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)
休 館 日 :月曜日(祝・祭日は開館)、展示替・館内整理期間、年末年始、夏期休業期間
観 覧 料 :一般500円 大高生300円 小中学生200円 シニア400円



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