ザトウクジラ


毎年、1月末から3月末くらいまでの間、ザトウクジラが沖縄本当から慶良間諸島の近海によく出没するようになって、もう10年くらいたつでしょうか。
繁殖場と餌場を回遊するというこのクジラは、この時期をすぎてしまうと北上して、北の海に行ってしまいます。
今年目撃できる最後のチャンスとばかり、那覇から海にクジラ探しにでました。


泊港のさらに北の新港はおだやか。
ですが、この日は海上波注意報が出ていて、風も強まってくるという予報。
遅くなればなるほど荒れた海になってきそう。




一歩港をでれば、すぐにぶつかる波の洗礼がきますが、少し進めば再び比較的穏やかな波に戻ります。
那覇からそう遠くない場所で、すでに先に出港していたホエールウオッチングの観光船やクルーザーが数隻。
いくらザトウクジラが大きいとはいえ、大海の中、ただやみくもに探しても遭遇できる率はかなり低そうです。場所によってはソナーを使って探査するところもあるようですが、クジラに影響があるということで沖縄では使用せず、あくまでも目視と目撃情報から。


クジラは一定時間ごとに、海面にでて呼吸をするのですが、その際に潮吹き孔から吹き上げる高さが4,5m近い水しぶきを見つけることです。
幼いクジラのほうが呼吸の間隔が短いようで、頻繁にあがる時は発見しやすいですが、小型の可能性があるようです。


じっと四方八方の海に目をこらします。



っと!!!
前方の遠くに潮が、そして続いて黒い影。






一匹目撃できると、おそらくは最低でも2,3匹いる可能性が。
船がクジラを刺激しないよう、ゆっくり近くへと寄っていきます。




一度呼吸をすると、しばらく潜ってしまい長いものでは30分以上潜水ができるそうですが、今回は割と水面を長く泳いでいるようです。
さらに接近、するとボートの左側に黒っぽい影が...



どーんと大きな潜水艦のようです。
以前、呉で潜水艦を沢山みたときには、クジラのよう...と思ったものですが、今度はその逆です。



背びれが現れました。



一度潜ってから、再び登場。



この大きな孔が呼吸のときに潮を噴き上げるハナの孔のようなものですね。
それにしても大きい・・・


写真は静止しているので、こともなさげですが、この時にはすでにかなり沖合で、風波ともに強く、波高は3〜4mはあったでしょうか。
防水カメラでないので、バサーっと波とともに被ってくる波しぶきをさけながら、必死の覚悟での撮影です。
潮を手で除けようと思うと、今度は捕まるための手が足りなくなります。
アップダウンも左右の揺れも激しく、とてもではないですが、片手でも捕まりきれないほど。
本当はクジラの豪快なジャンプを見てみたいものですが、目の前で姿を見られただけでもかなりの満足でした。