『オオゴマダラ』日本最大級の蝶をみる


那覇からバスで一般道を北へと延々とひた走ると、かつて沖縄海洋博が開催された跡地、現在は「沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館」「熱帯・亜熱帯都市緑化植物園」といった施設のある海洋博公園があるが、その近くにこの蝶の舞う丘があった。
海を眺めれば、橋で結ばれた瀬底島がみえる。



道路際にあるごく普通の土産物店の中から、蝶々園に入る。
手作り感溢れる...といえばいいだろうか、ひときわ大きな温室状の建物の二重のカーテンをくぐると、色とりどりの花が咲き乱れている。


あれ?蝶はどこ?
そう思ったのは小型の蝶がヒラヒラとはかなげに舞うという、つまり「てふてふ」のイメージだったからだろうか?


ふっと目に入った、まるで柄物のハンカチがはためいたような動き。
蝶はいないどころではなく、そこかしこにたくさんいた。
1匹見つかると、次々と目に入ってくる。
ものすごい数の『オオゴマダラ』だった。



羽を広げたら、軽く10cmは越える。
いや、自分の掌を広げた大きさほどあるかもしれない、とにかく巨大な蝶。
ところどころに置かれた、おそらくこの蝶の好むフェロモンがつけられているのではないかと思う盛り花に、沢山の蝶が群がっていた。



こう多いと、ちょっとゾクゾクっと怖くなってくる。
この蝶のさなぎは金色に輝いてとても美しいそうだ。
ホウライカガミ」「ホウライイケマ」という植物の葉を食べて体内に毒を蓄積し、羽化してもその毒は残るために、外敵に食べられずにすむらしい。




美しいものには毒がある。
まさに・・・・


自分に毒があることを他の外敵に知らせる術として、派手な美しい模様をまとい、さらに他の蝶にはないゆったりとした舞い方をする。
見て美しいと思う感覚は決して人間のためにあるものではないのだった。