野分のまたの日 秋の『生駒高原』


先週の鹿児島の帰り、霧島に近い空港まで送っていただく際に、『生駒高原』というところに立寄っていただいた。
『生駒高原』は霧島の山々のちょうど北東側、鹿児島県ではなく、宮崎県の小林市の所在となる。
今まで何度か霧島の山や温泉を巡ってきたものの、この北東側だけは訪れたことがなく、昨年登った韓国岳(からくにだけ)の山頂から、北東を眺めた景色だけが頭の中にあったので、どのようなところかとても興味深かった。





『生駒高原りんご園』に隣接する高原の斜面一面に、さまざまな色のコスモスが植えられて、それは見事だったが、いざ写真を撮ろうとすると何かおかしい。
シャッターをおしても花が笑わない。
声をかけても、まるで気のない女性のそぶりのように、てんでにあちこちそっぽを向いている。





『生駒高原』を訪れた数日前にはここ10年来最大級の強さと言われた台風18号が鹿児島東方から紀伊半島に上陸、本州を縦断して、各地に強風をもたらした。
鹿児島は進路の西側で、心配されたほどの嵐ではなかったと聞いたが、それでも山の天候、かなり強い風が吹き荒れたようだ。
ここのコスモスもすっかりなぎ倒され、ようやくすこし立ち上がってきたところだった。





清少納言はこういっている。

「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。
 立蔀(たてじとみ)、透垣(すいがき)などのみだれたるに、前裁どもいと心くるしげなり」

秋の大嵐(台風)の翌日は、実にしみじみ趣深い...というあの一節。



荒れ乱れたコスモス畑に秋の空もまた、いとあはれにをかしけれ。







『生駒高原』


コスモスの季節、夜間は2万個のキャンドルがともされるという。
http://www.miyakoh.co.jp/ikoma/guide/index.html



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