「つられて、タリアテッレ」


店にはいって、隣りのテーブルに運ばれてきた料理をみると、今日はこれを決めていたメニューがあるにもかかわらず、ふらーっと、となりのそれを頼んでしまう。
「つられてオーダー」はよくあるが、最近はblogやTwitterをうろうろしていると、これまたとんでもなく食べたくなってしまうものによくぶつかる。
特にこんな深夜は要注意。


ここ数日、パスタ、それも手打ちのパスタが気になって仕方なかった。
パンは以前によく捏ねて焼いていたが、パスタは未体験。
そうなると子供の工作願望よろしく、どうしても手近なもので作って食べたい気分がわき上がってきて、つられて作ってしまった。


あちこちで目にした記事ではどうも手打ちパスタは体力がいるらしい。
それは有り余っているので心配ないとして、それでもやはり最後に薄くのして切るのはパスタマシーンがないと相当に大変らしい。
そんなこともあまり気にせず、検索して読んだいくつかのレシピをぎゅっと総合し、要領を頭にいれて、適当に材料を用意。


デュラムセモリナはおろか中力粉もなく、薄力粉と強力粉を1:3位の割合でまぜてふるって「なんちゃって中力粉」にした。
キッチンカウンターのデスクトップを綺麗にして、そこに直に粉をのせ、
オリーブオイルと塩少々、それに粉100gにつき卵小1個を入れる。



さあ、フォークを持って・・・・
もうこの段階でかなりウキウキ。
小さい子供だったら楽しくてたまらないだろう、いや、私だって楽しい。
もんじゃ焼きを思いだしながら、粉を崩しつつ混ぜあわせていく。



そこそこ粉がまざったら、あとは直接手で捏ねていく。
読みあさったblogでは、ここで粉がまとまりにくくぽろぽろとするとあったが、良い感じでまとまってくる。
きっと卵のサイズが丁度よくて、水分量も良かったのかもしれない。
ビギナーズラックか?



少し時間がたつと、生地にどんどん弾力がでてくる。
まぁ、25分も捏ねてみようと、あとは無心になって捏ねるのみ。
このとき、調理には丁度良いカウンターの高さが、捏ねるにはすこし高すぎると思った。高いと手首のスナップをきかせにくくなる。



まるめて冷蔵庫で1時間ほど寝かせた。
本当は半日から1日くらいは寝かせたほうが、なじみよく良いらしいが、そこまで待っている余裕がなかった。
翌日時間があるなら、このまま寝かせて、翌日に次の段階をするのがいいのだろう。



麺棒で薄くのす。
寝かせたあとの生地の弾力はかなりのもので、それをすこしずつ、
均等な厚さになるようにのしていく。
目標は1mmだったが、なかなか思うようにはいかず、ところによっては1.5mmちかくとなってしまった。



打ち粉をして3つ折りくらいにして、包丁で切る。
さらに打ち粉をしておいて、ソースの準備。



冷蔵庫の中の野菜、アスパラガスと赤いパプリカが「はーい!」と手を挙げたような気がした。
べーコンと炒めて、そこへ生クリーム。
粒こしょうをたっぷり挽いて加えておしまい。
ぐらぐら煮立った鍋に、パスタを入れて、2分半様子をみるが、さすがに厚みがあったので少し固い。
結局、あとでフライパンでソースとまぜわせる時間を考えて、3分半ほどで茹で上げた。



パスタ自体、初心者が誰でも通る道?である、ちりちりにねじれた麺になるということもなく、ストレート。
そして予想はしていたものの、茹で上げると厚さが元の1.5倍近くになるので、少々厚みがありすぎたが、これは次回がんばってもっと薄くのすことにしよう。
パスタマシーン購入の誘惑がちらりとうかんだが、湯気のでているパスタでかき消された。



「つられて、タリアテッレ」できあがり。
フェットチーネというより、タリアテッレといったほうが美味しそうなのは気のせいか?



お伴にはカーブ・ド・オルシュヴィレールの「アルザスリースリング2007」を。
爽やかな酸味が、クリームと良くあって、パプリカの甘さも引き立った。




カーブ・ド・オルシュヴィレール・リースリング 2007

カーブ・ド・オルシュヴィレール・リースリング 2007