『私を月まで連れていって』


『Fly Me to the Moon』というタイトルのこの曲。

この曲は1954年に作曲家・作詞家のバート・ハワード(Bart Howard、1915年7月1日 - 2004年2月21日)によって作られたもので、初演はニューヨークのキャバレー "Blue Angel" において、ヴォーカルのフェリシア・サンダーズ (Felicia Sanders) によるものであった。ただしこの時の曲のタイトルは『In Other Words』(「言い換えると」の意味)であり、曲調も3拍子で、現在多く採用されているアレンジとは装いをかなり異にしていた。この「In other words」という台詞は歌詞の中にも登場しており、現在でもこの曲をカバーする際に『Fly Me to the Moon (In Other Words) 』というタイトルとしているアーティストもいる。

フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン

この曲は1954年に作られたというから、当時、望遠鏡で見ることはできたにしても、やはり月は遠い存在。
そして、太陽の力とは違う神秘の力を秘め、あるいは未知の希望の世界、
実現ができない夢の世界、あるいは憧れ地として歌われたのかもしれない。


『In Other Words』のタイトルの通り、自分の気持ちを「言い換えると」この歌のような歌詞になる。

In other words, please be true

In other words, I love you


今まで色々な人にカバーされてきた『Fly Me to the Moon』。
歌う人が違うとずいぶんと感じがかわるものだ。


愛くるしい女の子が目をきょろきょろさせて「ねぇねぇ私を月に連れていって」といっているようにも聞こえれば、
「月につれていってくれるんでしょ!?」と、恨みめいた心を吐露するとも聞こえれば、
大人の女性がしっとりと秘めた心を神秘な月に託しているようにも聞こえ、
いや、歌う人だけではなくて、聞いている時の人の心理状態でも変わるものらしい。


ところで、女性に真顔で『私を月まで連れていって』と言われたら、
男性はなんとこたえるのだろう?