blogにかくということ

所用で渋谷まで。
春休みまっただ中の渋谷は、普段のそれよりも人が格段多く、
雑踏の中を進むうちに、「個」のあり方が判らなくなってくる。
そんな事考えずに、さっさと進めばいいのだけど、
頭の中にはなぜか、高校の時の物理で習ったブラウン運動が浮かんできた。
この運動の確率過程理論が、いまや金融のオプション価格まで決めるとは、習った当時思いもよらず。
でも身近にみれば、そこかしこの酔っぱらいの歩みにも似るなぁ.....と思いながら、
ブランチに、ある店に立ち寄った。


エレベータであがって、店の中でドアがあくと、途端に甲高い声が響く。
静かにブランチとワインを楽しむ店で、いままでこんな事あったかしら?と思いながら、店内を覗くと、いつになく若い女性達がテーブルにぎっしり。


「喫煙席なら、いますぐテーブルがあいていますが...」という声に、迷わず、
禁煙のカウンターにして」と頼む。




顔見知りのスタッフが小声で申し訳なさそうに言う。
「いつもこんなことないのですけど.....
 どうも数日前に誰かのblogとかで紹介されたそうなんです。
 それでこんなに一杯で...」


ああ、bolgに書くという事はこういう事なのかと思う。


つい先日も、成り行きで自分では隠れ家のような存在の店に強力なブロガーを案内することになった。
「ここは私の隠れ家のような所です、どうぞ店の名と場所は載せないで」と、懇願した。
きっとその人には不本意な事かもしれない。
でも私には守りたい場所や人がある。


すべてを猛烈な勢いで露わにしながら進む世の中は、いったいどこへ行き着こうとしているのだろう。