街の様相シリーズ〜3『乾いた存在』
午後、所用で新宿西口の小田急ハルク裏方面に出かけた。
ここから大久保に向かう『小滝橋通り』という通り、また、JRガード沿いの通称『しょんべん横町』(正しくは『思い出横町』)、
そして小田急ハルク背後の未再開発地帯は、今の仕事の前に会社勤めをしていたときの懐かしのホームグラウンドでもある。
週のうちのほとんど毎晩、仕事で遅くなり1時もすぎて終電もなくなると、なんとかこの周辺の居酒屋で空腹を満たし、そして4時すぎの山手線始発電車の時間までを新宿通りのショットバーで過ごし、自宅にもどってシャワーを浴び、着替えて始業時間30分前までに出社。
そんな生活は体に生きる事の継続許可を与えるはずがなく、ある朝自宅ドアをあけて外に出た途端に心臓の鼓動が狂った波のように打ち寄せた。
「このまま出かけると、今日間違いなく自分は死ぬに違いない」と悟った。
様々なじめじめとした思いの多い6年間の地だったが、思い出はすでに「乾いた存在」となっている。
そして久しぶりに覗きみた路地も界隈も、乾いていた。
『ぼるが』がまだあった!!
開店は昭和24年(一説には26年とも)、ここが「酎ハイ」発祥の店だという。
『ぼるが』
新宿区西新宿1−4−18
03-3342-4996
定休日 日曜・祝日
営業時間 17:00〜23:00