街の様相シリーズ〜4『中途半端(ミッド)タウン』


人混みが苦手な私は「新名所」ができても、しばらくは出かけようとしないし、しかも週末は絶対には足を運ばない。
しかし今回は平日の遅い午後ということで国立新美術館を見たついでに、3月30日オープンした六本木の東京ミッドタウンに寄り道してみた。
果たして、平日にもかかわらずとんでもない人出だった「国立新美術館」に比べ、東京ミッドタウンは夕刻5時すぎにしては人が多いかな.....という程度だった。


美術館正面口の前の道を左手に降りていくと、すぐ、ミッドタウンのある外苑東通りにでる。
その景色は六本木ヒルズのそれとちがって、まるで「表参道の通りの片側一部を切り取って置いた」という印象が強い。

とりあえず、タウンの入り口と思われる場所にまわり、Plazaと呼ばれている場にたってみた。




Plaza(プラザ)からGalleria(ガレリア)方面を見ているが、ビック・キャノピーと呼ばれている天蓋のようなガラス屋根の下に人だまり的な場所が若干ある。
左手の建物の1階には、スタバが入っているが、どことなく閉鎖的な感覚がする。
ビック・キャノピーの下、もっとヨーロッパの街のどこにでもあるような開放的なカフェにならないだろうか。




道路からPlazaに入ってみたものの、ミッドタウン全体の塔屋案内が目につきにくく、最初に来るとどこに何があるかとても把握しづらいし、サイン計画も配置位置が悪く見にくい印象が強い。
サインは「知らない人のために」あるもの、知りたい時、知りたくなる場所に効果的に配置されていないとならないだろう。


暗くなった頃、PlazaからMidTownEastを見た。
主にオフィスの入る棟だが、1階のKONAMIはかなり意識をしているのが判る。




同様に外苑東通り側をみる。
将来、この前面にはどんなビルが建つだろう。



時間は前後するが、ミッドタウンの東側には「檜町公園」という緑地があった。
ここはもともと、萩・毛利家の下屋敷があった庭園の跡だそうで、その名も「檜」が多かったことに由来しているらしい。



もともとあった池も利用し、新たに整地・植栽しなおした公園内には、
四季を通じて楽しむという発想からか、これでもかという種類の樹木、草木が植えられている。



まだ樹木は若く、背後にみえる街との間の緩衝にはなっていないが、この公園に関しては数年後、10年後の成り行きが楽しみかもしれない。


「檜」「檜」でようやく結びついたのが、ミッドタウン全般の不思議な色使い。
外壁の低層部や、公園への回廊の横に走る木肌色のルーバー状素材が気になっていたが、おそらく「檜」を意識したのだろう。
もっとも、素材自体はC鋼材のような材質に塗装をかけているだけで、外観的には見栄えがあっても、目前でみるとなぜか良い気がしない。



すこし早い時間だったが、事情でランチ抜きであったため、レストランの案内をみて、入る店を考えたが、その気になるような店が皆無。
事前のチェックが無かったことも敗因だが、入ってみたいという気になれないのでどうしようもない。
入ってガックリの被害を最小限にしようと、いかにも高そうなレストランはやめて、Plaza地下にあった「江戸切庵」という蕎麦屋さんに入ってみた。
肴にお酒、そして最後にちょっとお蕎麦でもというつもりで......



店内は予想したより狭く、そのわりに店員は多く、対応は普通で悪くなく、肴もニシンの煮物など結構美味しかったが、なぜか落ち着かない感じがつきまとう。
なぜなのだろう!?


もともと、「成り上がり者のセレブきどりがいるような六本木ヒルズとは一線を画し、
大人の街を....」と言われていたわりには、ちょっとツメが甘い。
多機能の街としての計画(プランニング)は、残念ながら今のところ六本木ヒルズに軍配をあげたい。


そう、何かにつけ、「中途半端。
もしかして、「ミッドタウン」の「ミッド」は「中途」のことで、
ああ、「中途半端タウン」の事だったのだろうか?!



東京ミッドタウン