続、製造業と建設業


昨夜、「地域も建設業も生態系なのだ」を読んで、「製造業と建設業」というエントリーをかき、そこで

製造業に関しては、建設のそれとは比べものにならないほど、多数の深い下請けがいると思う。
生態系としていうなら、あの三角形が高く急な(とがった)のが製造業、なだらかで底辺が広いのが建設業かなと。

製造業と建設業 - tangkai-hatiの日記

という事をかいた。
それをひできさんにTBしたところ、「地域も建設業も生態系なのだ」の最後にその三角形の業界モデルを追加して載せて、TBを返してくれた。
自分のエントリーの中では、上記のように言いたいことをわずか数行で非常に簡単に書いてしまったが、その三角形のモデルをみて、まさに言いたかった部分が描かれていたので、とんでもなくスッキリと気分が良くなった。
凝った肩のツボにすとんと指先が入ったというか、または、痒かった部分に手が届いたというか、とにかく「そうそう、それそれ!」と叫んでしまいそうな感覚だった。
特に、「垂直統合」の事で、「「この部分」と文章で表すのは難しいが、言いたかったこと」が端的に納得できる。


実はこのモデルで、もっと製造業と建設業の特性、相違を表せるのではないかと思っている。
しかし、それは今回ちょっとおいておき、「建設業という生態系が環境に適合できずに崩壊してしまう、消滅してしまうという事を阻止することができないのか、もし、本当に生態系のような構造であるなら、それは自然界でのルールにヒントはないのか?」
こんな思いで、いろいろな事を思い巡らせた。


その中で「自己組織化(Self-assembly)」という言葉がうかんだ。

自己組織化(じこそしきか)とは、生物のように他からの制御なしに自分自身で組織や構造をつくり出す事をいう。 自発的秩序形成とも言う。英語では「Self-organization」や「Self-assembly」と言われる。 生物は、DNAを設計図として原材料から自ら機能を持った組織をつくり出しているもっとも有名な自己組織化の例である。
また、学習したときなどに脳内などで起こる神経回路の構築も自己組織化の一つであり、脳をモデルにした自己組織化写像が研究されている。
生物は複雑な例ではあるが、雪の結晶の生成などの結晶成長も自己組織化の一つである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/自己組織化

例をあげると、ミツバチや蟻の世界。
蟻に例えれば、この世界は頂点に「女王蟻」そして「オス蟻」「働き蟻」とう厳格なコロニーから形成されているが、これはこれ一つでも、やはり生態系の三角形モデルで表す事ができるだろう。
この中で「女王蜂」は「オス蟻」や「働き蟻」の動きをスーパーバイズしたり、全体の統制をしているように思えてしまうが、実はそれは違うのだという。


「自己組織化」という言葉を調べていて、面白い事をかいているサイトに出会った。


「アリの生態にみる自己組織化のルール」


この中で、アリが主導者なしに見事に「自己組織化」を行っているのは、とてもシンプルなインターフェイスを持ち、半ばロボットのような存在が、ある一定の規模を超えた途端、全体として複雑な社会的行動を始めるものだという事だ。
この事から、プロジェクトの「自己組織化」促進に必要な要素は次のようなものだと言っている。

 開発プロジェクトの自己組織化を促すためには以下の3つの要素を満たす必要がある。すなわち、
(1)大きさのそろった『粒』をできるだけ増やすこと
(2)『粒』と『粒』との連携は可能な限りシンプルにすること
(3)『粒』と『粒』との連携方法に例外をなくすこと

 この『粒』は作業タスクと固定化してとらえられがちだが、必ずしもそうではない。作業タスクも1つの『粒』に過ぎず、あらゆるものを『粒』としてとらえることがプロジェクトの自己組織化を促進するうえでとても重要なポイントとなってくるのである。そしてこのような考えは、実はアジャイル開発方法論の根底にある考え方とまったく同じなのである。

アリの生態にみる自己組織化のルール (3/3) - ITmedia エンタープライズ

この「自己組織化」を建設業界におこすことはできるのだろうか?
もしくは既に古くから「自己組織化」がなされていたのに、それが何かのきっかけで崩れたのだろうか?




これはあくまでも個人的に思考していることであって、建設業をアリの社会のようだといっている訳ではない。
「建設業も生態系」→「生態系の環境に適合」→「自己組織化」と仮定を考えて、たまたまアリの社会がでていただけのこと。
建設業の皆様、誤解して気を悪くなさいませんよう。