スペックが劣る携帯を選び、アプリを入れないPCを使え


『Biz.ID』の中の『尾崎憲一』氏へのインタビュー記事を読んだ。

達人の仕事術:
スペックが劣る携帯を選び、アプリを入れないPCを使え──ベッコアメ創始者尾崎さん
皆さんの中にも、その昔ベッコアメにお世話になった人たちはたくさんいるだろう。日本の個人向けインターネット接続サービスの元祖、ベッコアメ。その設立者であり、現在、ダンボネット・システムズを経営している尾崎憲一さんの仕事術とは──。
2007年09月18日 00時00分 更新

http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0709/18/news005.html

いや、まったくもってその通りで、私が最初にインターネット接続に使っていたプロバイダはやはり「ベッコアメインターネット」だった。
会社で使用していたインターネットは別として、もしこの個人向けサービスが尾崎氏によって早期に開始されていなければ、他のサービスが充実するまでの間、私が個人としてインターネットに触れるにはもう少し時間がかかったかもしれない。


この記事には、あえて低いスペックの機器を使い、外出にはPDもパソコンも持ち歩かない、携帯電話に手帳へのメモ。
自分の開催する宴会では名刺交換を禁じ、その分会話をさせる、あとからMLで名簿を流す。
飛行機はあえてビジネスクラス、新幹線はグリーン車に乗り、積極的に隣の人に話しかける......といった徹底した独自の情報収集術が載っている。
私もこの一部には同じ感覚で同じ事をしている部分もあるが、それは本当にごく一部であって、むしろ逆行する事を大量に行っているのが現状だ。しかしだからといって、尾崎氏の方法をまるのまますべて賞賛するという気もない。負け惜しみではないが、尾崎氏だからできること、尾崎だからそれをして有益だということも多々あるのだと思う。

「スペックが最低という枠の中で、最大公約数の仕事をしなければならないからです。いいスペックのものを持っていると、その世界でしかものが考えられなくなってしまうので、避けています。」

http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0709/18/news005.html

これについては特に賛否が分かれるところだろう。
例えば携帯電話について私も常に新機種を持ち歩くような事はなく、メール、web閲覧、そしてカメラの機能を使う程度だ。その程度でワンセグや特殊な機能満載の最新式携帯電話の必要はないから、それを持ち歩く必要もない。尾崎氏は903iを所有しているようだが、私はそれどころかまだ902iで、これで十分だ。
穿った考え方をすれば、氏は次々に変化、進化していく機器や手段を常に自分のものとしておくことに疲れているのではないか?
「スペックは最低」であろうと「最新」であろうと、わたしは「『道具(ツール)』として使いこなせているか」がすべてであり、氏がいう積極的な情報収集には周囲にあるものをかき集めるのではなく、まず自らの発信ができてこそだと思っているから、その発信を効率良くできないことは私にとっては意味がない。


そういえばどこかで聞いた、すばらしい味のトマトを作る農法に似ていないか?
甘く美味しいトマトは塩分の強い土地に育ち、そして水分もあまり与えず、植物には過酷な環境であえて育てる。
甘く美味しいトマトをつくる、つまり「必要性」を実感することからアイディアを発案する環境としては、過酷な環境、つまり最低のスペックに囲まれることは好条件かもしれない。

「『誰かよりも秀でていることがあればそれがどんなくだらないことでも金が儲かる』は、『ハスラー2』でのポール・ニューマンの台詞ですが、まさにその通りだと思います。広く浅くではダメです。狭くても深く、どうせなら評論家や博士と呼ばれるくらいになるべきだと思います。そうすると、その視点に立たなければ見えないことが当たり前に見えるようになるのです」

http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0709/18/news005.html

全くもって「広く浅く」な私の状況をバッサリだ。


座右の銘は「おたくになれ」だそうだ。
さすがにタダモノではないなぁ。