大和路塔巡り(その3)『大宇陀でおやつ』

(大和路塔巡り(その2)『お弁当』より。)



室生寺をあとに、室生川沿いの狭い林道のような道を抜けていくと、それにまた沿うかのように古い歩道(古道)が見え隠れします。大昔の人はこの道を通り、室生へあるいは伊勢へとひたすら歩いていたのでしょう。その様子を頭に浮かべながら、険しい山中に寺院を建立する事や時間をかけて自分の足で歩いて参拝する当時の人達の信仰心を思いました。


車は大宇陀と呼ばれる地域にさしかかります。このあたり一帯は、昔、薬草の栽培が盛んであったそうで、大手製薬会社もここに何軒かあるそうです。
日本最古の薬草園『森野旧薬園』がある『森野吉野葛本舗』の経営する『葛の館』の茶房で休憩、さっそく葛のお菓子をいただきました。勿論バルセロナからの彼らにとって、葛は初めての味。いざ目の前に出てきたときの不思議そうな顔が印象的でした。




葛餅。
味はともかく、「粉っぽい」黄粉の食感はどうも苦手だったようです。




葛きり。
水の中に浮く、半透明のゴムのような、プラスティックのような不思議な食べ物。



食べ方の見本にと、黒蜜につけて食べて見せたところ、同じように器用に箸でつかみ、蜜をつけ....
そこからが大笑い。口に運ぶと思いきや、弾力のある葛をすっかりオモチャにして、笑い転げています。
その様子はまるで女子高校生の「箸が転んでも可笑しい」のに匹敵。
動画に撮っておけばよかったと思うのですが、その時は私も同行のM本さんも、同じく笑い転げてしまい、それどころではありませんでした。
こんなに「葛」でウケるとは.....


そういえば、5年前にDavidとSantiの二人が来た時は、大阪でお好み焼きを頼みましたが、そこに乗ってきた大量の花鰹がくねくねと動くのをみて、琴線に触れたのかやはり同じように笑い転げていたことを思いだしました。


サンちゃん、それは食べ物だからね!




森野吉野葛本舗『葛の館』




(大和路塔巡り(その4)『夜の塔』へつづく。)