「建基法不況」1

対岸の火事...とまではかず、もっと近い、道路向こうの火事くらいだと思っていた『建築基準法改正』(改正とはいいたくないが、仕方ない)。
施行された後、身近な設計事務所の知人達はみな嘆き、怒り、最後は呆然とし、それでも生活や会社を維持するために暗中模索ともいえる無意味なあがきをさせられてきた。私にとっては有る程度間接的に影響を受けるという覚悟はあったが、まさかこんなに差し迫って影響されるとは思ってもいなかった。これではまるで2軒先の火事のようだ。
しかも隣家の火事ではないというのに、あいにく風向きが悪く、飛んできた火の粉が軒先からあっとう間に広がってきた。


実はこの火事の以前に、一度耐震計算偽装という直下型地震にあったような家だったので、柱1本でも燃え尽きれば、母屋が倒壊しかねない。
我が身にもせまった火事に、火消しはあちこちの大きな火事に出払って消火にもきてくれない。なんとか自分で消そうと思い水を汲んだバケツには、穴があいてた。

もし、これを寝ている間にみたら、冷や汗をびっしょりかく悪夢に違いない。
夢なら醒めればいいのだが、夢ではなく現実の火事だ。


この火元は一体どこだろうか。
いや火元は正しく消火すれば鎮火できたかもしれない火災だったのに、消火方法を間違え火に油を注いだのではないか。
だとしたら大火にしたのは誰だろうか。
江戸の昔であれば、鬼平が乗りだし・・・いや、そんな世でないこの今、一体どこに何をどう伝えればいいのだろう。