至極の癒し『CONRAD TOKYO(コンラッド東京) 水月スパ』へ1

旅にはひたすら観光に出て歩くという過ごし方もありますが、私にとって何もしない時間をまとめてつくることも旅の中の一つ。ようやく仕事以外の旅に出たというような時、よく旅先のホテルのスパに行くことがあります。
海外のリゾート地には有数のスパ施設をもつホテルも多く、その中でも東南アジアの開放的な空気の中のスパはお気に入りです。ですが今年はその海外のスパを訪ねる機会もとうとうできませんでした。


2007年の最初の日の出から、ずっと駆け抜けてきたような11ヶ月間。
そろそろ心身ともに本当に仕事を離れて休む時をつくらないと、体は悲鳴すらあげられなくなりそうな状態でした。


理由はともあれ、ちょうどそんな時、かねてから気になっていた『CONRAD TOKYO(コンラッド東京)  水月(みづき)スパ』に行く機会に恵まれました。




汐留のCONRAD TOKYO、29階。エレベータを下りてすぐに、スパ入り口のサインがあります。
一度でもCONRAD TOKYOを訪れたことがある人なら、このサインの背後にある木と金属を組み合わせたパネルには見覚えがあるでしょう。ホテル全体がこの色調で統一され、エレベータに乗り込んだ際にも籠の中にはこのパネルを見ることができます。
このデザインの統一感が、ホテルにある「一テナントのスパ」という感覚を払拭します。あくまでもホテル内の一部であるスパ、その感覚が客室内から通じる落ち着きをもたらします。




レセプションの前にあるドアを入ると、そこはすでに癒しの世界。
まずは更衣室への案内があり、今まできていた体を締め付ける衣服からガウンへ。それだけでもまず気持ちが開放されます。この部屋はロッカーがあり、さらに仕切りのあるパウダールームが2つ。ここも同じパネルのデザインで、おだやかな照明がさらに気持ちを落ち着かせてくれます。




ついつい気になるトイレの水回り。
この青い透き通ったボウルは後に行くトリートメントルームと同じです。




着替えをすませてカウンセリングコーナーへ。
ハーブティーをいただきながら、その日のコンディションを記入し、当日の担当の方のカウンセリングを受けます。コース内で使うエッセンス・マッサージのアロマと、フェイシャルのアロマを選びます。


さて、いよいよトリートメントルームへ。
案内されたのは、シティ・ビューの大きなガラス窓、そして檜風呂のある部屋。話には聞いていましたが、こんなに間近に汐留のビル群が目前に見えるとは!
とても残念だったのは、天候が曇りで青空と太陽が望めなかったことです。もし青空の中にそびえる高層ビルをみたら、自分も中空に浮いているような感じがしたにちがいありません。




左手前の薄茶色の建物は上層階に「ロイヤルパークホテル」の入る「汐留タワー」ビル。
2層分だけガラス窓の大きさのことなる部分が、「ロイヤルパークホテル」のフロントとレストラン、ラウンジになっているので、今まで、時折逆の方向から見ていたはずですが、やや見上げるような視線なので気が付くことは無かったのかもしれません。
それにしても、「ロイヤルパークホテル」の客室や、その背後の「日テレタワー」ビルの各フロアから、ここはどんな風に見えているのだろうと気になります。トリートメントの最中は斜光ロールカーテンがおりて、外から見える心配はありませんでした。





今回のスパのコースは『スパ・スイーツ・リチュアル』という疲労回復・リラクゼーション・スキンケアまでのトータルなプランで、その中でも240分という最も長い時間の癒しが楽しめる『マリン・キャビア・デラックス』というコースでした。


まずは「フット・リチュアル」。
両脚をミントの葉をうかべた暖かなお湯につけただけで、「はぁ~~っ」とストレスの塊がほぐれていくようです。大袈裟にいえばこれから非日常の世界に入るという儀式のようなものでしょう。スクラブで脚を軽くほぐしていくと、もう夢見心地。


心がふわぁ....っとしたところでベッドに移り「ハイドロ・マリン・スクラブ」。
グレープシードスクラブで体の表面からも体をこわばらせていたものが落ちていくようです。


さらに「スピルリナ・ラップ」。
海藻成分の入ったパテを塗り、ラップをし、体を温めます。ぬりつけるパテの香りをかぎましたが、海の香り、または昆布の香り。ラップされ暖められて、なにやら自分が料理されていくようなおかしさも感じました。
20分の間に体じゅうから心地よく発汗していきます。この時点でかなり夢見心地。すぅーっと眠りに落ちそうになり、瞬間、吾にかえるような事が数度ありました。


他のマッサージでもそうですが、心地よいために眠ってしまい、起こされて気がつくとすでに終わっているという、なんだか自分の心ウチでは損をしたような気分になるのが勿体なくて、これでもかなり頑張って起きていたのです。


さて、ドロドロの体を同じトリートメント室の中にあるシャワーで丁寧に落とします。あらかた落ちた体に指を滑らせると、しっとりとして、しかもツルツルと滑らかな肌になっているのに気がつき、嬉しくなります。
再びガウンをはおり、室内の一角へ。
発汗の後のために、冷たい水が用意されています。




ここまでで既に1時間半ちかく。
とてもそんな時間がたったとは思えない....
「やはり途中で眠っていたのだろうか」と考えながら水を飲むと、すうっと染みこんでいく感覚がしました。


至極の癒しです。



至極の癒し『CONRAD TOKYO 水月スパ』へ2 につづく)