草加の『草加煎餅』


「東京みやげは?」と聞かれると最近は本当に困ってしまいます。
本当に地元産の何かをつかったものがあるかといえば、見あたりません。
ではと、東京みやげランキングのようなサイトをみると、自分では買って食べたこともないような新しいお菓子類が上位にならんでいます。東京でしか買えないもの、東京へいって買って帰るみやげであれば、なんでも東京土産なのかもしれませんが。


昔ながらの東京みやげといわれて思いつくものは「雷おこし」「舟和芋羊羹」「草加煎餅」「佃煮」。
その草加煎餅草加の方N村さんからいただきました。




あれ、でも草加って埼玉県ですよね。
ということは草加煎餅は埼玉みやげ?!


草加せんべいの由来、ありました。しかも通説と俗説二種類。

<通説>
 せんべいの起源は実に古く、千数百年前といわれています。元来、日本では糯(もち)、うるちを問わず、米を蒸したものを「飯」と呼び、今の「強飯」でこれが昔の常食でした。これを搗(つ)きつぶしたものをもち(餅)といいました。餅には生餅と、乾餅(ほしもち)があり、乾餅は別名「堅餅(かたもち)」とも呼ばれて、焼いて食べる保存食として重宝がられました。
 そのため、戦陣に携行する兵糧でもありました。後世、この中に豆や胡麻をついて入れたり、塩味をつける製法が好まれました。これが「塩堅餅」で、これを焼いたものが後の「塩せんべい」で、草加せんべいの源流となっていきます。
 草加せんべいは本来この「塩せんべい」ですが、江戸時代、利根川沿岸で醤油が造られるようになると、焼せんべいに醤油を塗るようになりました。草加では、専らこの醤油せんべいが売れるので、従来の塩せんべいは醤油せんべいに代わりましたが、名前は古くからの塩せんべいと言われつづけてきました。
 このように醤油塗りの焼きせんべいが日光街道草加」の名物になった理由は、良質の米が獲れ、また良質の水と良質の醤油が身近にあったためといわれ、さらに永い伝統により熟練された製造方法で造られ、長い日光街道の間食としても好まれ、値段も手ごろで軽量であったことによるものです。

http://www.sokasenbei.com/origin.html

<俗説>
 草加日光街道の宿場町として栄えていた頃、旅人相手の茶店が街道にありました。その茶店のおせんさんという女性が作って売っていたお団子が非常においしく、当時往来の人達に大変親しまれていました。
 このおせんさんは、商売上手な人でだんごを使った新しい商品が作れないかと考えていました。ある日、武者修行の侍が茶店に立ち寄り「おせんさん、お団子をつぶして天日で乾かして焼餅として売っては?」と教えてくれました。
 おせんさんは早速売り出してみたところ、お客様に好評で喜ばれ、日光街道に名物が出来たというのが、今の草加せんべいと伝えられています。

http://www.sokasenbei.com/origin.html


「東京のおみやげには草加せんべいがいいな」というお客さんもいらして、羽田で購入してもっていくことがありますが、これからは「埼玉みやげ」あるいは「関東みやげ」といわないとなりませんね。
しかし、立地的に日光街道そして綾瀬川、中川、荒川という水系で江戸とつながりが深く、江戸の人に好まれた煎餅という点ではやはり江戸みやげともいえそうです。




小さい頃によくたべた記憶のある、なつかしい砂糖まぶしもありました。
由来からすれば、しょうゆ煎餅が草加せんべいの本流なのでしょうが、個人的にはこの甘辛い砂糖のついた煎餅や、ザラメのまぶしてある煎餅が好きです。
甘いと塩辛いの共存は日本人でないと理解できない味ではないでしょうか。




『春日堂せんべい本店』


草加市北谷1-6-15
tel 048-943-2848
営業時間 9:00〜19:00 火曜日定休