『バウハウス・デッサウ展』をみにいく


バウハウス」........おそらく昔、建築や建築史を学んだことのある人にとっては、とても懐かしい言葉だろう。
さらにバウハウスに関わった「ヴァルター・グロピウス」、「ミース・ファン・デル・ローエ」といった芸術家・建築家の名がでてくれば、さらに若かりし頃の学舎の情景さえうかんでくる。
それほど、当時の建築の勉強では「バウハウス」の意味合いが強かったということかもしれない。


バウハウスが何であったかはwikipediaその他の記述を参照していただくのが良いと思うが、「合理主義的・機能主義的な芸術」でありながらも、そのデザイン性は今の日常製品や建築のデザインと比較しても、全く遜色ない。果たして1900年前半にこのようなデザインや機能美が存在していたのかと驚嘆の念さえ抱いてしまうほどだ。
現在に多大な影響をあたえる造形教育を行ったこの学校が、政治的な流れに翻弄され、最後はナチスによって1933年に閉校に追い込まれてしまう。
最後の校長だった「ミース・ファン・デル・ローエ」がアメリカに亡命し、その後もこのバウハウスでのデザインや造形教育がニュー・バウハウスとして引き継がれたのは幸運だったといえる。


バウハウス(Bauhaus)は、1919年、ドイツ・ヴァイマル(ワイマール)に設立された美術(工芸・写真・デザイン等を含む)と建築に関する総合的な教育を行った学校。また、その流れを汲む合理主義的・機能主義的な芸術を指すこともある。学校として存在し得たのは、ナチスにより1933年に閉校されるまでのわずか14年間であるが、表現傾向はモダニズム建築に大きな影響を与えた。
バウハウス」はドイツ語で「建築の家」を意味する。中世の建築職人組合である「バウヒュッテBauhütte」という語(「建築の小屋」の意)をグロピウスが現代的にしたものである。(発音はバオハオスが近いという説もある。)

http://ja.wikipedia.org/wiki/バウハウス


さて、このバウハウスの、特にデッサウ市で開校されていた時期の造形基礎教育がどのようなものであったか、そこで学んだ学生達の作品展示等を行っている『バウハウス・デッサウ展』が、今京藝術大学大学美術館で開催されている。



当時、どのような造形教育が行われていたか、どのような基礎教育があったか。
展示されている作品をみると、まるで今、学生達が構内のギャラリーやホールに展示している演習作品を思い出すほど、今と近しいものに思われる。
そして時代を経ても、1つ1つの作品に取り組んでいた学生達の姿が手にとるように目に浮かぶ。


第一部「デッサウ以前/バウハウスとその時代」
第二部「デッサウのバウハウス/基礎教育と工房」
第三部「建築」


という3つのカテゴリー分けされた展示で、最後の「建築」では、パネルに
バウハウスの最終目標は建築、絵画やデザインなどすべての造形は建築のためにある」
というような説明があり印象的だった。
最近はどうも「建築」のイメージが薄い。そして建築に携わることのプライドを持てなくなってしまような世相やできごとも多い。
そんな中、この言葉は何よりも一番、心にしみ入った。
バウハウス・デッサウの時代に回帰せよとは言えないが、当時の造形・建築がどのような位置にあったか、そしてそれにかける教育がどうであったか、
建築デザインに関わる人は一見して欲しいと思う。




『バウハウスとは?』
http://www.bauhaus-dessau.jp/faq.html



『バウハウス・デッサウ展』
http://www.bauhaus-dessau.jp/


会期: 2008年4月26日(土)-7月21日(祝・月)
月曜休館(ただし5月5日(月)、7月21日(月)は開館。5月7日(水)は閉館)
午前10時〜午後5時(入館は閉館の30分前まで)
会場: 東京藝術大学大学美術館 
観覧料: 一般1,400円(1,200円)、高校・大学生800円(700円)
    ()内は前売/20名以上の団体料金
問い合わせ:  ハローダイヤル:03-5777-8600



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<巡回展>
・2008年7月29日(火)〜 9月 7日(日) 浜松市美術館
・2008年9月13日(土)〜10月19日(日) 新潟市新津美術館
・2009年1月25日(日)〜 3月29日(日) 宇都宮美術館