栃尾『杜々の杜(とどのもり)』の湧き水


長岡から真西へ、新榎トンネルを抜けると、栃尾の町があります。
街中を流れる刈谷田川沿いに、おそらく昔はなんらかの小街道であったのではないかと思う造りの街並みがあり、こじんまりとしたその町にはなんともいえない中越の郷を感じます。
南側をみやれば、そこには標高1537mの守門(すもん)岳。
アルプスのような、標高3,000m近い高い山並みではありませんが、日本海からの湿った風を受け、かなりの積雪があるようです。この日も山には雪がまだ残っているのが見えました。
一昨年の事だったか、この山にピンク色の雪が降ったという話を聞きました。
中国からの黄砂、というより鉄分を含んだ赤砂が飛来し、雪がピンク色に染まったそうです。


ここ栃尾で有名なのは「油揚げ」。
油揚げでも、普通の5,6倍はあるという大きな油揚げ。まるで厚揚げのようですが、中は豆腐状ではなく、あくまでも油揚げなのです。
時折お土産に買ってかえりますが、最近では都内の飲食店でも肴に「栃尾の油揚げ」として出すところが出てきたようです。


ここで一旦、街中から長岡方面に少し戻り、西谷川に沿って山道をはいっていくと、『杜々の杜(とどのもり) 名水公園』があります。
キャンプ場として整備され、その奧には日本名水百選の1つ、『杜々の杜湧水』がわき出しています。



比較的近くまで車でこれるので、ポリタンクをもって水を汲みにくる人の姿も。



私も飲んでみましたが、驚くほど冷たい水でした。ちょうど......ビールの美味しい温度くらい。
この時期でも雪をまだ頂く山々の麓のこと、雪解けの水が長い時間かかって森をぬけ、わき出してきたのでしょうか。


『杜々の杜(とどのもり) 名水公園』の中にはキャンプ関連の施設や売店、そして小さめの展示やイベントができる場所、レストランがありましたが、平日とあって、人気は水を汲みにきた人と、会場をかりる相談にきていた数人だけ。
レストランも営業しているのだろうか? と不安になるほどでしたが、「営業中」という札をみて入ってみました。
いくつかの簡単なメニューの中には「よもぎ蕎麦」「よもぎうどん」 一瞬迷いましたが、これはやめて、栃尾らしく「油揚げそば」を頼みました。
油揚げの入った蕎麦なら、キツネ蕎麦じゃないか、といわれそうですが、あくまでも栃尾の「油揚げそば」なのです。



まったく期待はしていなかったのですが、でてきた「油揚げそば」のそばをみて「おおっ」っと良い方への期待はずれの予感。
そば粉の黒い粒がのこる、しかも不揃いに切られたそば。どうみても、ちゃんとした手打ちです。



本当にびっくり、もう一杯食べてしまおうか、と思ったほどの美味しいお蕎麦でした。





『杜々の杜(とどのもり)』名水公園



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