神田・猿楽町『松翁(まつおう)』で『六口会』の一献



季節の移ろいを感じるごとに訪れたくなる店なのですが、今回は『六口会(むくちかい)』という、文字通り口が6つ、女性6人の会での一献とあいなりました。
実際には5人でしたが、「よくぞあつまることができた」としみじみ思うほどなんとも忙しい女性達が大阪、奈良、東京から参集。
音で読めば「ムクチ」なはずの会でも、それはそれは賑やかなこと。


すこし遅れてやってくる3人の前に、最初に到着した2人でさっぱりと「越乃影虎」から。
とりあえずビール、ではなく日本酒から始まるスタートに、なんだか良い予感が一杯です。


谷中しょうが、そして駄々茶豆をつまみながら、さらに「十四代」を呑み呑み、焼き茄子をいただいていた頃、一人、二人と集まってきました。
焼き茄子は綺麗に皮が剥かれて、真ん中一直線に切れ目がはいり、そこに大葉の半切が入れてあります。
香ばしさ満点の削り節、そして良い出汁のきいたかけ汁。



4人まで揃ったところで、今度は穴子煮こごり。
いつもは最初にさっと出てくる肴として頼むことが多いのですが、今日は中継ぎ役です。



「黒帯」で、うるめいわし。



かまぼこ。



そして全員が無事に揃い、最近東京へ赴任してきたI田さんを中心に乾杯。



日本酒の量もさらに増え、注文も「メニューの上から順に....」という潔さ。(笑)
頃合いよく、地鶏炭火焼きが登場し、5つに切ってあることに妙に感心をしました。



この頃には話も佳境、〆に向かう前にもう3品ほどを考えて私が注文。
野菜の含ませ煮は残念ながら1つしかないということで、かわりにひじき煮物、
そして、お酒をちびちびと楽しむには欠かせない、焼き味噌。
この幸せを心おきなく味わうには、一人1つの注文が必須です。



日本酒は「獺祭」そして「ばくれん」と続き.....
塩分の多い肴が続くと欲しくなる口直しに、栗きんとん。
栗きんとんとはいっても、べったりと砂糖や飴で練った衣があるのではなく、ざっくりと栗をつぶし、ほどよい砂糖を加えただけのシンプルな味。



6時半に集まった時から、あっという間に時間はすぎ、8時半に仕舞う店の最後のおきまりは、やはりお蕎麦。
「今日のかわり蕎麦は?」と聞けば「菊花そば」ということで、2色盛りを小でいただくことにしました。
まもなく新蕎麦がでてくる頃ですが、今はその前のそば粉。
それでも風味良く、また秋を予感させる菊花の黄色い色をしたかわり蕎麦は、あっという間に無くなりました。



「六口会」は実に流動的で、関西でも関東でも若干の入れ替わりはあるにしろ、6人で集まれば「六口会」。
「男性から会に来たいと言われたらどうしよう?」そんな案件も討議され、「気の利く男性一人ならOK」という議案も可決されたのでした。


さて、次は忘年会でしょうか。





『松翁(まつおう)』


東京都千代田区猿楽町2−1−7 
tel:03-3291-3529
営業時間:11:30〜15:30、17:00〜(L.O.20:00)、
     土11:30〜16:00
定休日:日、祝休(年始、旧盆休)



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