初冬の加賀の旅 その2『箔一「箔巧館」にて』


(初冬の加賀の旅 その1より)



金沢というといろいろな工芸品の中で、金箔を使った食器、建材などを多くみかけます。
古くは金沢城再興の際に必要となった金箔を作るために、京都から呼び寄せた職人が作り始めたものとのこと。
もっとも、順風漫歩に箔打ちが行われたのではなく、途中で何度も江戸幕府からの禁止令がだされていたようです。


金は非常に柔らかく、そして延びのよい金属のため、金箔という薄い箔にしての工芸加工ができる他に、最近では加工した際にでる切りくずを利用して、化粧品や飲食用の装飾としてつかう金粉状のフリカケなど、いろいろなものが開発されてきています。
また、金箔とセットになって、かならず名産品店におかれていた「あぶらとり紙」。
なぜだろうと思っていましたが、それは金箔を薄くのばしていく過程で使う金箔打ち紙が、「あぶらとり紙」となったのでした。


この箔一「箔巧館」の中には金箔製品を売る売店の他に、金箔をつくる過程の判るギャラリーがありました。
また、金箔をつかったカフェがあり、そこではキラキラと金箔の光るコーヒーやアイスクリームを楽しむことができます。





ところで、私がここに立ち寄りたかった目的は実は、「箔(はく)」ではなく、金箔よりも約10倍近く厚みのある「澄(ずみ)」を買うことでした。
この厚さがあると、陶芸につかうことができるのです。
今回は金(3.5ミクロン)、銀(4.0ミクロン)、銅(4.0ミクロン)の「澄」をそれぞれ買ってみました。
もちろん、それぞれ純度は100%です。
これらを使って、焼き上がった陶芸作品がどのようになるか、興味深いものがあります。




(初冬の加賀の旅 その3へ続く。)




『箔一(はくいち)本店 箔巧館』


石川県金沢市森戸2丁目1-1
tel:076-240-8911
営業時間:9:00〜18:00年中無休(1月1日のみ休館)



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