初春の讃岐うどん行脚(うどんツアー)その1

例年だと4月の金比羅歌舞伎大芝居開催にあわせて香川入りをし、その前後に讃岐うどんを堪能するのですが、今年はそれに先立ち1月前に某セミナーが坂出であり、1日早く香川入りをして、さっそく讃岐うどん行脚とあいなりました。
どこのうどん店に行くかは、その前後の予定とも関係し、また時間、メンバーによって様々ですが、初日6日のうどん行脚は経験者ばかり4名+子供1名。
ということで少数精鋭の少々マニアックな店選びです。


昼前に高松空港に到着、空港に迎えにきていただきましたが、その時点ですでにうどん店に寄って食べてきているとのこと。
少々気が焦りつつも、最初の目的地「谷川米穀店」に行く前に、以前から狙いをつけていた「岡製麺所」に寄っていただくようお願いをしました
ここは空港からそう遠くないのですが、日曜日の営業は玉売りだけなのです。ですから、もし行くとしたら、この機会しかありません。
昨年立ち寄った際には、何軒もまわったあとで普通のぶっかけうどんを食べただけでしたが、その時に目についたメニューが「肉うどん」。
以来、「岡製麺所」へいく機会があれば、絶対に「肉うどん」を食べると心に決めていたのでした。


道路際、カーブがおわったすぐに場所にあり、とても見つけにくい場所にあるのですが、この日は丁度平日の昼時でもあったせいで、店の前の駐車場に入りきれない車が路上に何台も止まっていたので、すぐにわかりました。


さてお待ちかねの「肉うどん」。
汁のない「ぶっかけ肉うどん」もありますが、寒い時期でもあったので、汁入りの「肉うどん」にしました。
お味はまさに予想の通り。
こっくりと甘じょっぱく煮込んだ薄切り肉がとても美味しく、もともと麺も好みのコシだったので、讃岐到着後初めての感激の1杯となりました。
「肉うどん」といえば、「肉ぶっかけ」で有名な「綿谷」といううどん店があり、以前に一度訪れたことがありますが、そこだけでお腹が一杯になってしまう程のすごいボリューム。
申し訳ないと思いつつも、完食できずに残した思い出があります。その点、「岡製麺所」の肉は多くも少なくもない程よい量。
次のうどん店へと、かえって空腹感があおられるようです。



次はやはり時間と曜日を選ばなければならない「谷川米穀店」
その名の通り、もともとは米穀店だったところでうどんを始め、それがあまりの美味しさにお客さんも急増。
ところが日曜定休で、平日も営業時間が11時から14時まで、麺がなくなればおしまい。
土曜日ともなれば、店の前から道路まで長蛇の列です。


「次はここ」と、うどん店の前までいって、「臨時休業」「営業終了」という札をみた時のショックは相当なものです。
実際、讃岐のうどん店では個人経営も多いために、「臨時休業」もよくあることですし、麺が無くなれば営業時間内でも終了です。
人気店に列がないと、ふっと不安になるものです。
「谷川米穀店」ではかまどの煙が見えていれば営業中。(写真でも雨で低くたちこめていますが、煙がでています。)
さすがに天候の悪い金曜日の昼前、並んでいる人は数人だけで、すぐに食べることができました。



注文は「暖かい」「冷たい」のどちらかで、あとは「小(1玉)」か「大(2玉)」か。
ここのうどんの食べ方は、醤油をちょっと垂らすだけ。
あとは薬味の葱、青とうがらし、一味、そして好みで酢を入れるだけです。
このシンプルな食べ方が、麺そのものが美味しいうどんにとって、一番の食べ方。


そして、最初は「暖かい」のを頼んで食べると、次は「冷たいの」。
どんなにお客さんが並んでも、「おかわり優先」のルールがあり、食べ終わっておかわりの時は、あいた丼をカウンターに出して、例によってまた「暖かい」「冷たい」、「小」か「大」といえば、そこにうどんをよそってくれます。
玉子を頼んで、たまごうどんもできます。



この暖かい、冷たいの交互に頼む方法だと、ついついうどんが進んでしまい、交代交代に2杯、4杯と食べてしまうので、注意です。
次がある時は、それを考えなければなりません。
つまり、次にいこうとしている店のうどんの特徴(固めとか量が多いとか)とそこまでの移動時間を考慮しないとだめなわけです。
ここは後ろ髪を引かれながらも、「暖かい」「冷たい」の合計2杯で店を出ました。



今回の3軒目は、まんのうの先の「山内うどん」
ここは麺も美味しいですが、なにより炒りこ風味のつよいうどん出汁が美味しくて、私の好みです。
行く日、時期によって若干味の差があるのが気になるところですが、今回はまあまあでした。


食べ方はかけうどん、醤油うどん、ゆだめうどん...とありますが、オーソドックスにかけうどん。
それも、麺を一度茹でて水にさらして洗ってしめたもの。それに熱い出汁をかければ、「ひやあつ」です。
ここもつい2杯は食べてしまう店。
最後の1軒目はとても重要な店なので、ここはぐっと我慢して、「ひやあつ」「あつあつ」の2杯。



最後の店は少し場所が離れた観音寺というところです。
おなかが一杯というよりも、うどんを食べ続けるとうどんと出汁の塩分で口の中が塩辛くなり、つい甘いものが食べたくなります。
以前は満濃池のほとりにある「かりん亭」という店で、わらび餅とコーヒーなどを楽しんだのですが、今回はケーキが良いということで「西内花月堂」に立ち寄りました。
ここは不思議な場所です。
道路を挟んで2つの敷地に、お花やさん、うさぎ小屋、パン屋さん、ケーキ屋さん、そしてカフェに、30円饅頭やさんと、なぜか行くたびに店が増えているようです。
一番奧にある「キャラメルママ」というお店でケーキの2種盛りとカフェオレを飲みました。



ケーキ種類は好きなものを選ぶことができますが、キャラメルムースと苺のゼリー、そしてバニラアイスクリームが添えられてくるので、まるで3種類頼んだように見えます。
肌寒い天候の日でしたので、暖かいカフェオレでほっと一息つくことができました。



次に店へ...となった時、同行者の中で仕事(金曜日ですからね)都合で、連絡をとらなければならなくなった人が出て、一旦、案内をしていただいているI田さんの事務所へ帰還。
1時間くらいいた後、再び今度は3人で最後のうどん店を目指しました。
観音寺にあるその店「かなくま餅」は、去年にもいったのですが、夕刻でうどん玉が切れていて、あえなく断念。
どうしても行きたい店であったことに加え、寒い時期一杯までしか食べることができない、思い出深い特別なメニューがあるので、絶対にはずせないのです。


営業中という看板をみて一安心。



絶対にはずせないメニュー、それはこれ。



白味噌仕立ての雑煮に、うどんが入っていますが、さらに丸餅が2個入っています。
そして、この丸餅は餡餅(餅の中に餡が入っている香川のお餅)なのです。
「白みそ餡餅入り雑煮うどん」
こんがりと焼き色のついた餡入り餅2個にうどん1玉、大きな人参、大根、そして味付の油揚げも入り、これで一食分くらいあるのボリュームのメニューです。



餡入り餅は香川に限らず、高知や徳島でもあるそうですが、それを雑煮に入れるのは香川ならでは。
そしてそこにうどんです。
餡餅というと、「えーっ、なにそれ!」という方がいるのですが、ちょっと甘めの白味噌の塩味と、餡がとても良くあうのです。
これが食べたいための香川であったりもします。



午後からのうどんは、都合4軒6杯。
行きたいと思っていたうどん店ばかりで、満足・充実の行脚でした。


このあとは丸亀に戻って、夜の部です。
その前にちょっと寄り道を。


「初春の讃岐うどん行脚(うどんツアー)その2」につづく)