春の讃岐うどん&こんぴら歌舞伎行脚その2『屋島に登る』

(春の讃岐うどん&こんぴら歌舞伎行脚その1『まずはうどん〜なかにし、ふるかわ、しんせい〜』より)



高松市内を中心に3軒のうどん店を巡ったあとは、近くにそびえる台形の山『屋島』へと向かいました。
屋島』といえば、それが香川県のどこにあるかは知らなくても、小中学校で習った源平の戦いに出てくる「屋島の戦い」(1185年)を思い出す人は多いでしょう。
島と名が付いていますが、江戸時代の干拓ですでに地続き状態、かろうじて相引川が島として隔てています。
屋島の形は高松市内側からみると、まるで屋根のような台形、それが屋島と呼ばれる由縁ですが、見る場所がかわれば、このような形となります。
東側は切り立った岩でかなりの断崖のようです。
今年は桜の開花も早く、訪れた4月10日には主立った桜は散っていましたが、場所によっては満開を過ぎた状態でかろうじて花を残しているところがありました。


この近くには『わらや』という、たらいうどんで有名なうどん店があるのですが、今回はパス。
そのまま屋島ドライブウエイを登っていきます。



思ったよりも広い屋島、ドライブウエイを登り切る駐車場で平坦地があります。
そこには水族館や84番札所でもある屋島寺(南面山千光院霊場八十四番)。
境内には『蓑山大明神』があり、そこには狛犬のかわりに夫婦のタヌキの像が置かれています。
(四国狸の大将だそうです。)
この写真は子供を抱いた奥様の方。



本堂は室町時代の再建だそうです。



展望台まできてみれば、やや高度のある場所だからでしょうか、桜は満開。



春霞の中に浮かぶ瀬戸内海の島々はとても幻想的で、まるで雲の海の上に顔をだす山のようにも見えます。
かつでここで源平の激しい戦いがあったとは想像できない、のどかさです。




高松方面を望む眺望。
このまま太陽が沈む頃までいれば、きっと素晴らしい日没の状況を見られることでしょう。



さて、これは何でしょう。
この展望台に来る途中の土産物店で買ったものです。



『かわら投げ』というのだそうです。
瓦とはいっても、実際には薄いお皿状の素焼き(というより、粘土をかわかしたもの)で、源氏が陣笠を投げて勝ちどきをあげた故事に由来だそうです。
投げて飛んだ距離を競うそうですが、思ったほどに飛びません。フロスビーのように手首のスナップをきかせても今ひとつ。
コツは崖下からの風にのせることのようです。




帰りのドライブウェイ。
実はここには『ミステリーゾーン』という案内版がでていました。(写真中央近くにある四角いプレート)
以前にいろいろテレビでも取り上げられたことがあるようですが、さて、ここは上りなのか下りなのか?



背後からの車が来ないことを確認し、車のエンジンを切ってニュートラルに入れると.......
な、なんと、目(この写真でも)で見る分には下っているのに、なんと車は後ろにズルズルと下がっていきます。
目で見た感覚と、実際には逆に動く感覚、その違いからでしょうか、考えれば考えるほど気分が悪くなってきます。
両肩にえも知れぬ重さをぐっと感じました。
蓑山大明神』からタヌキ様を連れて帰ってきてしまったのでしょうか?
それとも、古戦場に散った源平の武将達の霊でも連れて帰ってきてしまったのでしょうか?



(春の讃岐うどん&こんぴら歌舞伎行脚その3『鬼無(きなし)〜 桃太郎と鯵の謎』 につづく)