ピンク色の春告樹


自宅から仕事場、または最寄り駅周辺で買い物や銀行の用事をすませて歩く通り道に、暗渠の上をふさいだ長く続く公園があります。
一部は遠く離れた別路線の駅まで続く見事な桜並木であり、また一部は子供達の遊び場、そして一部はベンチで昼時には近くの会社員がお弁当を広げているという、構えていない分だけ人々が様々な用途に好き好きに使っている公園です。


そこには毎年、桜の開花に先んじて、ピンク色の花を咲かせるアーモンドの木があります。
桜はまだかと心急きだす時分、春の寒の戻りで霙が降るような寒さにがっかりしている頃、慰めんばかりに急に蕾がふくらんだかと思うと、一気に咲き出すこの花にやはり春の先駆けを感じずにはいられません。




桜にくらべ二周りほど大きい花びら、そして濃いピンク色。
青空に映えるこの花ですが、残念ながらここ数日は寒々しい曇天に雨模様。
それでも、寒さの戻りに鬱ぐ心の隙間を埋めてくれるかのように咲き誇って、桜の開花とともに一気に散っていきます。