100歳


3月27日の今日、祖母が100回目の誕生日を迎えた。


祖母は明治の終わりに生まれ、大正、昭和、平成と4つの年号を生きてきた。
耳は多少遠くなり、補聴器のお世話になっているが、あとは元気で身の回りのこともすべて自分でしている。
しかも一人暮らしだ。
家族の名誉のためにいっておくと、決して老婆を一人にして放置しているわけではなく、息子や娘が声をかけても「私はここがいい」といって、自分の家からガンとして動かない。
寒い場所なので、さすがに冬場の年末年始だけは息子が自分の家につれていくが、2日とたたないうちに家に帰りたいと駄々をこね出す。


重たい荷物をさげての歩きの買い物は大変だし、掃除も重たいものを動かすような時は何かあるとこまるので、ヘルパーさんを頼むようにといっても、
「自宅によそ様が入るのは嫌だ」といって、自分ですべてやろうとする。
さすがに説き伏せて、ここ2年くらい、週に2回程度の買い物だけはヘルパーさんに頼んでいるようだが、「明治の女」強しだと思う。


生まれはすでに数十年近く前に先立った(とはいえ70歳代だったが)夫と同郷で、長野の木曽出身。
あまり詳しいことは知らないが、若い頃は末っ子でお転婆な娘だったらしい。
結婚して、木曽から、国家公務員だった夫と今の地に住んだが、当時はご飯を炊くこともできなくて、夫だった祖父に随分教えられらようだ。





(画像:日比谷花壇オンラインショップより)


100歳の誕生日を祝うこと。
おそらく私の一生の中でも、自分を含め、もう二度とあるかどうか?
何かを贈ろうと思っていたが、もう着るものも沢山いらないし、食べるものの食べきれないというので、花のアレンジメントと可愛い和菓子のセットを贈っていた。
そして当日の今日、午前中にお祝いの電話をした。
少し前に市長が秘書をつれてお祝いにきていったらしい。



それにしても100歳というのはすごい。
最近は自分の身辺で同じくらいの年頃の方があっけなく亡くなってしまったりと、人生のむなしさを感じて心が落ち込んでしまうことも多いが、
一方で自分の倍近い年月を生きている人がいると思うと、まだまだだなと思い直したりもする。




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