掘り出し物は『Visor Deluxe』


この連休は人混みが嫌いなために、遠出もせず、遠来のお客様と食事をするくらいで、事務所か自宅で静かに過ごしている。
ただあまりに身辺の荷物が多くなってしまったので、少しづつでも片付けをしようと、一番手元に近い箱の中身から取り出しては要、不要の選別をしていた。
すると、見覚えがあるが久しく手にしていなかった、懐かしいものが出てきた。
それがこれだ。




わかる方はかなり以前から、今の世を予想できていた方だと思う。


いまやiPod touchだの、iPhoneだのと、手のひらの上にのるガジェットはごく当たり前になっているが、時は10年以上も前。
そう...1999年だっただろうか、2000年だっただろうか、記憶が曖昧だが、
仕事で何度目かの海外出張に赴いたとき、MacWorldExpoがサンフランシスコのモスコーンセンターで行われていた。
仕事はそこに集まる様々なメーカーの情報を集めることと、これからの商談、それにすでに取引のあるメーカーとのミーティングなど多忙であった。
そんな中でも、Appleから、そしてメーカーから画期的な製品の発表が相次いで、会場をひと歩きするだけでもとにかくワクワクと心浮き立つイベントだった。


そのとき、このガジェット『Visor Deluxe』が発表され、発売となった。
Palmの開発者が独立をし、Handspringという会社を設立して作った、いわゆる「PDA」と呼ばれていたものだ。
いまやPDA(Patent Ductus Arteriosus / 携帯情報端末)自体も死語だろうか。


この頃はすでにインターネットでメールのやりとりをしていて、海外からも時間を限ってプロバイダの海外アクセスポイントに電話回線接続をして、
モデムを介して「ピ〜、ヒョロヒョロヒョロ、ぐごぉーがぁぁ〜」と繋いでいた。
出張用にLiblettoという、これまた当時としては小型のWindows95の登載できるパソコンを持参で、日本の顧客とのやりとりをしていると、
「是が非でも、その「Visor」を入手して来て欲しい」という指令がはいった。
しかも1人ではなく、数人から。
そこで翌日は真っ先に会場で、列をなしているVisorの販売所に走った。
そしてなんと(自分のものも含め)4セット購入した。
値段はいくらだっただろうか、記憶にはないが、クレジットカードで購入した。


その1つがこれで、出てきたというわけだ。
ただ、充電用のクレードルがみつからない。
また、背後にアプリケーションをいれるSpringboardスロットがあるが、そこに入れていたモジュール類もみつからない。
そうそう、思い出したが、携帯用の折りたたみキーボードもあったはずだ。
それもまだ出てきていない。


もし電源が入るようになったら、電車の中で手にのせてみようか。
いったい周囲のどんな反応があるだろう、などと思ってしまう。
それにはまず、まだまだある沢山の荷物の山を制覇しないとならないだろう。





おー、これこれというサイトがみつかった。
まさにこれだ。
http://www.ad-visor.net/guide/guide_chapter0-10.html


文字(アルファベット)の手書き入力、「Graffiti」も懐かしい。
http://www.ad-visor.net/guide/guide_chapter0-1.html