生きている山『新燃岳』


このところ牛の口蹄疫病に始まり、鶏インフルエンザ、そして今度は霧島の火山活動の活発化と、九州南部が騒がしい。
しかも人の目に見えないものや手の及ばないに脅かされているという、妙な共通点はいったい何なのだろうか。
被害は畜産だけではなく、風下の地域では降灰による農作物にまで及ぶ。
つい先だって交代した宮崎県の新知事にとっては、元副知事であったにしても、試練続きだろう。



桜島を揺るがすかのような噴煙をあげて噴火している「新燃岳」(しんもえだけ)。
今、新燃岳で検索するだけで、沢山の画像と動画が出てくる。
中には夜間の赤い溶岩が吹き上げて、山肌に落ちる生々しい動画もある。





2008年10月の半ば、鹿児島を訪れた時に霧島の山並みのうちの1つ「韓国岳」(からくにだけ)に登った際、丁度「新燃岳」を写していた写真があった。
実は一連の写真を何十枚と撮っているのだが、そのデータを移したパソコンがトラブルでHDDを初期化してしまい、残念ながらその前後の写真がみな見あたらないなか、たまたま某SNSの中にアップしてあったものだ。


火口からは噴煙ではなく水蒸気がときおり立ち上っていた。
残念ながら当時も有毒ガスなどを憂慮して、新燃岳のそばに近寄ることはできなかったが、遡って数年前までは、このような活動もなく静かで、この写真を撮った韓国岳から、この新燃岳をとおり、いくつかの霧島の山々を縦走して、写真の奥にそびえる「高千穂峰」まで行けたという。





それにしても、ここ数日見かける写真や動画とは比べようのない、穏やかな山の景色だ。


この山が生きていた。
そして、爆発をした。



この山の南西の麓にはきつい匂いのする高濃度の硫黄泉『新湯(しんゆ)温泉』、一軒宿は一件宿の『新湯温泉 霧島新燃荘』がある。
噴火の影響がこの温泉にまで及んでいないことを祈りたい。
一番上に貼り付けた動画は、その新燃荘付近からの(望遠)映像らしい。


秘湯『新湯温泉』
http://d.hatena.ne.jp/tangkai-hati/20071006/1192268324



(「噴火の続く『新燃岳』」につづく)