『坂井宏行 美食の夕べ』マナーハウス島津重富荘にて その3


(その2より



さて、御料理はメインを控えて、その前にスープとなりました。


『霧島産 栗のスープ カプチーノ仕立て』



カップの上にふわふわっと盛り上がった泡。
カプチーノを楽しむときのシナモンのかわりは、栗のパウダー。
カップの下に敷かれた葡萄の葉。
優しく秋を感じさせてくれる一品でした。




いよいよ待望のメイン、肉料理。


昨年このイベントでのメインは
鹿児島黒毛和牛のロースト 岩塩焼き ゆずの香り』。
焼き上がった肉を会場内に持ち込んで、それを切り分けるというパフォーマンスがありましたが、今回は


『鹿児島産 黒毛和牛ロース肉の軽いフィメ
  朴葉包み ゆずマスタードソース』


またまた朴葉に包まれた肉が、会場内のステージに運ばれました。


さあ始まりです!



テキパキと朴葉をはずしていくのは、ラ・ロシェル渋谷の工藤 敏之グランシェフ。
ソースとディッシュの用意のタイミングをはかるのは、宮元シェフ。
お料理の説明をしながら「お代わりもありますから」というムッシュ坂井の言葉に、思わず場内が和みます。




お料理を運ぶ皆さんの手元に注目です。
みな白い厚手の手袋をしています。
それほどにお皿が熱かったのです。



添えられたフリッターの中は、なんと椎茸でした。
柔らかな肉からは、ナイフをいれるたびに、封印されていたジューシーな脂が出てきます。
そこへほのかな柚子の香りのマスタードソース。
時間されあれば、いつまでも食べていたい、食感に浸っていたいという気持ちです。



この御料理のための赤ワインは
『2000 Sancerre Le Chene Saint-Etienne(サンセール ル シェーヌ サンテティエンヌ/ アンリ ブルジョワ)』


一口含むとワイルドな感触....  
二口目には上等なピノノワールの濃厚な香り....
三口目には、今度はとろけるような味わい....
まるで七変化するようなこの味わいはドメーヌ・アンリ・ブルジョワの成せる技でしょうか。




ところで、このパフォーマンスのために登場したムッシュ坂井のいでたちに注目です。
工藤シェフ、宮元シェフとともに、お色直しです!


なんと、黒のコックコート。(シェフコートという方がいいのかな?)
胸にはマナーハウス島津重富荘のマークが入り、両サイドに流れるボタンと襟もと・袖口のカットがとても綺麗。
見慣れた白のコートも良いですが、こういうイベントには最高の身支度ではないでしょうか。
みなさん、とてもお似合いで素敵。
これでますます各シェフのファンが増え、人気がアップしそうですね。





デザートの前の軽いデザート。


『ベルベーヌのジュレエスプーマ』


不思議な泡のエスプーマ、そしてベルベーヌ(レモンバーベナ)。
肉で火照った体を冷ましましょう、ということでしょうか。



最後の一皿、デザート。


『りんごのコンフィ クレープ包み
 バニラアイスクリームと紅茶のチュイール』


軽いサクサクとしたチュイールと、アイスクリームは不滅の組み合わせですね。




デザートワイン


『Vin Rose d' Un Jour (ロゼ ダンジュール /オリヴェ クザン)』


やや甘口のロゼワイン
御料理の〆に丁度良い上品さ。





早くも宴のおしまい。
皆さん揃って。


「ご馳走様でした」



最後に今回の全般的な感想。
ここへきて、巧い言葉がみつからず.....
つい昨年との比較をしてしまいますが、昨年のお料理は「ラングスティーユのクルージェット包み」を始めとして、
ムッシュ坂井の渾身のメニュー。
あまりの素晴らしさに、食べる方も思わず力が入り緊張してしまうものでした。

今年はいい意味で「ゆるっ」とした御料理。
自然体で鹿児島で、そして美食で。
これが島津重富荘でのディナーのスタイルに近いのではないかな、と思うのでした。




食後のロビーで。
工藤シェフとも一緒にパチリ。
謎のblogger(笑)と言われないよう、今度はラ・ロシェル渋谷店にもいかないとなりませんね。




思わず、口をあけて笑う直前のシャッターでした。
本当はもっともっと、幸せ〜、な顔だったのですよ。