日本酒だけの楽しみ『日高見 純米吟醸 天竺』飲み比べ


ワインでは同じヴィンテージの類似した異なるワインを試飲することを「平行試飲(または平行比較試飲)」などと呼んでいますが、日本酒では同じ銘柄で異なる酒米(原料米)から作られたものを飲み比べるという、もっとすごいことができます。
使っている酒米の種類の多さでは十四代などがポピュラーかもしれませんが、昨晩は宮城県石巻の平孝酒造「日高見(ひだかみ)」をいただきました。


まずは最初に『十四代 本丸』をグラスで一杯、
(せっかくの黒いカウンターが、メニューをおいたままで失敗。)




先付けは、すっかり型も大きくなってきた『ホタルイカの黄身酢』と、『ししゃも』(通常のししゃもと違い、さらに良く乾燥させて味が濃い)、そして『炙った鴨をなんとグレープフルーツと和えたもの』でした。



富山産『ホタルイカの沖漬け』。
解禁になった当初から比べると、すっかりいい型になりましたね。



『水茄子のお刺身』。
泉州水茄子漬けは何度か見かけたことがありますが、実は生の水茄子を初めて食べました。
普通の茄子ではアクでいがらっぽくて(灰っぽくて)とても食べられたものではありませんが、この水茄子はほんのり甘みもあって、独特の食感と味わいです。



『焼竹の子』。
手前に添えられているのは甘味噌なのですが、何の味噌だったのか聞き忘れてしまいました。



そして美味しさのあまり、写真も忘れて食べてしまったのが、『桜海老のかきあげ』でした。


お造りは良い魚が入っているようで、6種類を盛り合わせで。
手前の『ウニ』から始まり、時計回りに西伊豆の『ヤリイカ』、佐賀の『せきアジ』、『メバチマグロ』、明石の『桜鯛』、岩手の『ホタテ貝』。




ここまでくれば、もう満を持して『日高見』の登場です。


聞き酒の下に敷かれた紙にもプリントされていますが、すべて『日高見 純米吟醸』。
3つの違いは何かといえば、酒米
右から、


『短稈渡舟(たんかんわたりぶね)』
山田錦の父方。
かつて栽培されていたものの、育成が難しく、絶滅種のひとつとも云われていたそうです。
他に『臥龍梅』でも見かけたことがあります
この『日高見』は落ち着きのあるまろやかさ。初老の紳士でしょうか?


『山田穂』
山田錦の母方。
酒米としては雄町と並んで「高アミロース・低タンパク米」位置にあって、五百万石と対照的です。
他に『田酒』でも使われています。
この『日高見』は飲み口はキリっとした感じ、ですがその後口の中で華が開くようです。


『愛山(あいやま)』
山田錦が祖母(祖父?)、山田錦と雄町の交配でできた山雄67号、そしてさらにその山雄と愛船117号との交配でできたのが、愛山。つまり上の2つの酒米の子孫ともいうのでしょうか。
長年『剣菱』が独占状態でこのお米を契約農家に作り続けてもらってきたのが、阪神・淡路大震災の影響で酒造りができない時期があり、その間に他の酒造元へこの酒米が流通することになったという、経緯ですが、そのおかげで私が思いつくだけでも
十四代』『東洋美人』『磯自慢』『飛露喜』『くどき上手』と、こんなに沢山のお酒で使われるようになってきました。
この『日高見』は上品、華やか、キレと、上の二つのいいとこ取りをしたといっても言い過ぎでない、なんとも素敵な味わいです。




おなかがいっぱいになってきた、それでもまだお酒が...という時にこの肴。
さて、この脂したたるものは何でしょう。




『くじらベーコン味噌漬け』です。
くじらベーコンといえば、思い出すのはあの何故か縁が鮮やかな赤のベーコン。
ですが、こちらはそのままの皮の色。
口にふくめば、炙った香ばしい風味と同時に脂が溶けていきます。
適度な塩加減に、お酒は進む進む....
つい〆のもう一杯『山桜桃(ゆすら)』を頼んでしまいました。



そしてデザートのアイスクリーム。
良い酔い〜の頃合いだったのでしょうか、カメラもぶれています。




食べている途中でこんなお酒をサービスにいただきました。
桃色のどろっとした濁りのお酒。
その名も『どPink』。
どこのお酒かとラベルをみれば『白瀑』でした。
甘酸っぱいような、とろっとして、舌先に微発泡を感じる食後の一杯。



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